復興の拠点に
直売所カフェ 野馬土
12月22日オープン
福島・浜通り農民連
福島・浜通り農民連は、津波で家も畑ものみこまれてしまった農家、原発事故で家へもどれなくなってしまった農家を支えようと、フランス財団やNPO有形デザイン機構などの支援やつながりのなかで、12月22日に復興の拠点となる「野馬土(のまど)」を相馬市の国道6号線沿いに開設します。「野馬土」には、直売所やカフェのほかに、農民連の事務所、米倉庫も併設。屋根には太陽光パネルも設置される予定です。
7月7日にプレ企画
七夕産直まつりに500人
「野馬土」開設のプレ企画として7月7日、「七夕産直まつり」を開かれ、雨の中でしたが500人余りが訪れました。
全国の20カ所を超す
農民連・産直センター
農産物がドッサリ届く
組合員やその家族、遠くは神奈川からも大型バスで駆けつけ、買い物や地元のお母さんたちが手作りした豚汁やおこわ、長野・下伊那農民組合のもちつき、福島県北農民連のポンせんべい、長崎・対馬のシイタケや海の幸、そして音楽バンドの演奏、抽選会などを楽しみました。福島県農民連の会長で「野馬土」の店長でもある亀田俊英さんは、北海道から沖縄まで20を超える農民連・産直センターから届けられた農産物を前に「さすが農民連だ」と一言。会場には、食品分析センターの放射能分析機器も置かれ、参加者が持ち込んだ野菜を測定しました。
|
北から南までの農産物がそろいました |
ロック歌手かけつけ
フランス財団の雨宮裕子さんは「日本支援の義援金として財団に託された多くのフランス市民が後ろについています。『野馬土』が相馬の、そして日本の復興に貢献することを願っています」と述べました。
地元バンドの「ぼんちち」。ボーカルで歌っているのは農民連会員の漁師、遠藤友幸さんです。「まだまだ漁には出られないが、こうしてみんなで元気を取り戻したい」と自慢の歌を披露していました。また、「農と歌が世界をつなぐ!」とギターを鳴らして叫んだのは、ロック歌手の和気優さん。東京からオートバイに乗って駆けつけました。和気さんは、東京・下北沢で有機野菜などを食材にしたレストラン「農民カフェ」を経営していることでも知られています。
52人で参加した神奈川・生産者と消費者が手をつなぐ会。被災地も訪れた横浜市の池利恵さんは「福島の田や畑で何も作られていない放棄地を見て、食糧危機が来るのではと感じた。緑の大地が命をつなぐということをあらためて考えさせられた」と話していました。
全国から期待の声
また、前日に相馬入りした金澤米店(東京・台東区)の砂金健一さんは「命の糧を生み出す“土”を大切にする営みの最前線にいるのが農民たち。私たちは農民との連帯なくしては一人として生存できない。気力と馬力で生き抜いていくことの大切さを仲間と共有する場が『野馬土』であってほしい」と期待を寄せていました。
こうした声に、浜通り農民連の杉和昌会長は「12月のオープンにむけて、『野馬土』が被災した農民、漁民のよりどころとなって、今日のようにみんながつながり支えあう、元気の出る場所にしたい」と語っています。
(新聞「農民」2012.7.23付)
|