8月中にも参加表明か?TPP情勢緊迫野田首相の暴走止めよう
民主党の分裂騒ぎのなか、消費税増税や原発の再稼働の問題がクローズアップされていますが、TPP参加をめぐる情勢も緊迫してきました。一部の新聞は「8月中にも参加表明」という政府の方針が決まったかのように報道しています。 産経新聞7月10日付の記事によると、「消費税増税法案と社会保障大改悪法案が8月上旬に成立するのを待って、野田首相がオバマ大統領ら関係国首脳との電話会談で正式参加を伝達」するというもの。また、朝日や読売各紙も、アメリカ・サンディエゴで10日まで開かれていたTPP9カ国交渉後の記者会見の様子を報道し、「日本が8月末までに決断すれば、カナダ・メキシコと一緒に交渉参加できる」などと報道し、「参加決断の夏」と迫っています。 8日に行われた日米外相会談では、アメリカのクリントン国務長官が「日本の参加は大変重要」と促し、玄葉光一郎外相は「日米間の協議を前進させるようお互いに努力する」と発言をしています。「政治生命を賭けた」(野田首相)という消費税増税法案の成立が見えてきたこの時期に、一気に「参加表明」で押し切ろうという戦略です。
水面下ですすむ米国との交渉東京大学教授の鈴木宣弘氏は「水面下で、アメリカの要求する『入場料』ないし『頭金』支払いの交渉は着実に進んでいる」(農業新聞)と指摘しています。TPP参加にあたっては、「情報公開と国民的な議論」を約束した野田首相。まったく情報が公開されていません。したがって、国民的な議論もされていません。こうしたなかで、アメリカとの事前協議の中で、“前のめりな譲歩”をすれば日本の決意は示されたということで、アメリカが「日本の正式参加を認める」と公式発表し、すべてが決まってしまうかもしれないのです。断じて許せません。 「原発再稼働やめろ」「野田やめろ」の首相官邸前の抗議行動は、当初、約300人から始まりました。いま、20万人余りの市民が押し寄せるほどの大きなうねりになって、マスコミも無視できなくなっています。「TPPに参加するな」のたたかいも、市民レベルでの共同が広がっています。多くの地域では、「オール北海道」といわれるような連携も進んでいます。暑い夏ですが、大きなうねりを起こしていきましょう。
全国研究交流集会に集まろう8月1〜2日、宮城・鳴子温泉「農民の家」今回の全国研究交流集会には、一橋大学名誉教授で「九条の会」でも大活躍の渡辺治さんが特別講演します。渡辺さんの演題は、「TPP、消費税、原発問題などを切り口に、今日の社会全体をどう見るのか」。この間の運動の発展を大きな視点から分析しながら、農業、農村、農民運動への確信を深める内容です。来年1月の定期大会をめざす運動の力にするためにも、80分とたっぷり時間をとりました。元気の出る講演が期待されています。 また、6つの分科会が準備されています。ぜひ、関心のある分科会に参加して全国の経験を学び、地域に持ち帰って運動を広げましょう。
6つの分科会(1)原発事故損害賠償運動と仲間づくり(2)国保、税金などの要求と仲間づくり(3)生産と多様な流通、地域活性化と仲間づくり(4)先進から学ぶ組織の運営と拡大(5)TPPのたたかい、共同のひろがり(6)自然エネルギーの事例報告
(新聞「農民」2012.7.23付)
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[2012年7月]
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