大分・洪水被害懸命の復旧作業続く下郷農協農民連本部の笹渡事務局長ら
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土台を残してすべて流された鶏肉処理場の跡地(7月7日) |
2回目の豪雨では、シャッターや塀も水圧で押し倒され、中の物が流される被害になっています。被害額も1回目だけでも数千万円にのぼるとみられ、精神的にも大きな衝撃と疲労感を受けています。
地域全体でも大きな被害が出ています。山国川沿いでは、多くの住宅や建物が床上浸水しました。また水田も土砂をかぶり、土砂被害をまぬがれた水田も、農業用水の取水口や水路がズタズタに破壊されて給水できず、収穫できない水田が半分近くに及ぶことが懸念されています。下郷農協の松本聡雄参事は、「農業用水や集落を結ぶ道路の土砂崩れなどの被害の全容はまだわかっていません。下郷農協も、地域の農業も、これから日を追うごとに被害がはっきりしてくると思うと、心配で頭がいっぱいです」と言います。
下郷農協は広域合併の押し付けをはね返し、現在も経営再建にむけ奮闘中です。耶馬溪町における下郷農協の役割は、農業生産を守るだけでなく、地域の暮らし全般を支える役割を担っています。耶馬溪町唯一のスーパーといえる購買店舗のほか、診療所(ほかに町内の開業医は1つのみ)、高齢者デイケアセンターを運営し、多くの組合員が農協の共済や融資を利用して暮らしています。また雇用先としても大きな役割を果たしており、数多くの若い職員が働いています。
「下郷農協を築いてきた私たちの大先輩は、まだ産直という言葉も知られていなかった時代から、安全なものを消費者に届け、地域の農業を発展させてきました。豪雨被害は深刻ですが、なんとしても復旧・復興し、耶馬溪の農業と暮らしを守っていきたい」――組合長の矢〓さんは、復興への固い決意をこう話しています。
〓は崎の異体字。大が立。
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[2012年7月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
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