旬の味
6月29日、首相官邸前に集まった人は20万人を超えた。しかし野田首相は、その切実な叫び声を「大きな音だね」と揶揄(やゆ)したという。この国の将来のために「再稼働」を見直す気などさらさらないらしい▼仲間の農業青年が今年で農業を辞め、長野から実家のある関西に帰ると聞いた。Iターン就農して、一人でがんばってきたのを知っているだけにとても残念だ。一番忙しいのは決まって収穫期で、本当はその時こそ営業を仕掛けるチャンスだが、一人では身動きが取れない。手があいて営業に出られる時期には、もう売るべき作物がないと聞くと、一人で農業を続ける難しさを実感する▼彼の努力は一見すると無駄になったようにも見えるが、身をもって示した現実、新規就農者を迎える側の制度の不備などへのメッセージは、次にやってくる農業青年の助けになるようにしなければいけない▼同じように、故郷を追われた福島の人々の無言を含むメッセージも、次世代のためにいかされなければならないはずだ。 (よ)
(新聞「農民」2012.7.16付)
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[2012年7月]
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