「農民」記事データベース20120716-1029-01

福岡農民連
さっそく救援にかけつける

猛烈豪雨
下郷農協(大分)が甚大な洪水被害

泥まみれで復旧作業

関連/全国研究交流集会に集まろう!

 下郷農協のある大分県中津市耶馬渓(やばけい)では、7月3日、1時間に91ミリという観測史上最高の猛烈な豪雨に見舞われました。このため、山国川が氾濫(はんらん)し、下郷農協のある大島地区にも流れ込み、あっという間に水没しました。農協事務所は1メートルも冠水し、鶏肉処理工場も跡形もなく流され、食肉工場や購買店舗などの施設も水没し、多大な被害が発生しました。7月5日、福岡農民連が救援のため現地入りしました。みのう農民組合・金子徳子さんのリポートです。


事務所が1メートルも冠水した
鶏肉処理工場跡形なし

 下郷農協が大変なことになっていると聞き、みのう農民組合の井上永太郎組合長以下7人で応援に向かいました。

 うきは市から東へ約1時間。耶馬溪に近づくと、山肌からは大量の水が流れ出ており、がけ崩れの危険を感じました。国道212号には、大量の押し流されてきた丸太や土砂、けっこう大きい石ころなどが散乱し、川のあちこちが大きく削られ、水の勢いのすごさが感じられました。

画像
下郷農協の矢崎組合長(中央)を激励するみのう農民組合のみなさん

 あちこちが通行止めとなっていて、なんとか下郷農協の「ふれあいの店」に到着しました。店は50センチくらい泥水をかぶっており、商品棚を外に出し棚の中に入った泥をかき出しました。まさに泥とのたたかいです。

 その間にお客さんも訪れ、みなさん心配そうに「開いてるの?」「大変だったね」と声をかけてくれます。そういうお客さん自身も足が泥だらけで、「うちもジャガイモ畑が水に漬かって、ぜ〜んぶダメ。70年生きてきたけど、こんなの初めて! 水が来るのが速くあわてて避難した」と話していました。

 その後、みそづくりの部屋の掃除に向かいましたが、ここもまた泥。流し台も冷蔵庫も泥だらけです。階段の6段目くらいまで泥に漬かった様子でした。

画像
泥のかき出しに持参した5台の高圧洗浄器が大活躍

 地域のみなさん元気になれば…

 下郷農協の矢崎和廣組合長は、「たくさんの支援を受けてとてもありがたい。私たちが元気になって、地域のみなさんに元気になってもらうのがいま一番大事なことだと思う。下郷農協がこの苦難を跳ね返し、復興することこそ、支援していただいている仲間への期待にこたえることです」と話していました。いまだ行方不明の職員さんの安否を気づかいながらの言葉でした。

 元気になってもらいたいという思いで桃を持っていきましたが、大変喜ばれました。明日からまた雨の予報です。これ以上、災害が広がらないことを祈るのみです。


全国研究交流集会に集まろう!

 農民連は、全国研究交流集会を8月1、2の両日、宮城県で開きます。

 今回の集会は、TPP参加を阻止するたたかいが、消費税増税や原発再稼働を許さないたたかいとも結んで、国民的に大きく盛り上がるなかで開催されます。開催地は大震災の被災地の宮城県です。全国から多数参加して学習し、交流を深め、被災した仲間を激励しましょう。

▼とき 8月1日(水)午後1時半〜2日(木)正午まで(JR古川駅から送迎あり)
▼ところ 宮城県大崎市鳴子温泉「農民の家」TEL 0229(82)2121
▼参加費 全日程参加1万2000円、会議と懇親会7000円、会議のみ3000円
▼主な内容 特別講演―渡辺治氏(一橋大学名誉教授)、TPP情勢と常任委員会からの報告、分科会(終了後、オプションで被災現場の視察と被災者激励)
▼申し込み・問い合わせ先 農民連本部 TEL 03(3590)6759

(新聞「農民」2012.7.16付)
ライン

2012年7月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2012, 農民運動全国連合会