千葉・香取
地元特産のサツマイモを使った
「樹里の焼き芋」屋さん
“おいしかった、また来るよ!”
まま友・子どもたち集う場に
地元特産のサツマイモを使った「樹里の焼き芋」屋さんが、昨年の12月、千葉県香取市にオープンしました。店長を務めるのは、5歳の子をもつ宇井樹里さん。樹里さんのご主人は、山田町農民組合長の宇井正一さんの農業後継者で、息子の正志さんです。
焼き芋の材料は、宇井さん一家で育てた自慢のサツマイモ。ホクホクとしたベニアズマや、クリームのようにネットリと甘い按納芋(あんのういも)など、品種の特性を大切にしながら、遠赤外線でじっくりと石焼きにしています。
甘くて香ばしい焼き芋には、「毎週食べたい」と通うファンも増加中。「やっぱり一番うれしいのは、お客さんが“おいしかった”と、また買いに来てくれること。とくに子どもたちには“ここの焼き芋がいい!”と言ってもらえて、励みになります」と笑顔の樹里さん。
家族のアイデアと力を総動員して作ったこのお店には、「地域の若いお母さんや子どもたちが気軽に集える場所に」という樹里さんの思いがいっぱい詰まっています。お店にはテーブルや椅子が置かれ、小さな子どもが靴を脱いで遊ぶことのできるジュータンスペースも設けられています。お茶を飲むこともできるので、子どもを連れたママ友だちや、近所のお年寄りが、楽しいおしゃべりに花を咲かせています。
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手作りの魅力いっぱいのお店の前に立つ樹里さん |
ママ友だちが店を切り盛り
3人いるスタッフも保育園や児童館で知り合ったママ友だち。焼き芋のパッケージに押すスタンプを手作りしたり、イラストいっぱいのメニューボードを書いたり、ママさんスタッフみんなで協力してお店を切り盛りしています。「小さな子どもがいると、若いお母さんは外出もままなりません。このお店がそういうお母さんたちに、少しでも社会に出て働いたり、集まったりできる場所になれば、と思っています」と樹里さんは言います。
昨年は原発事故の風評被害も心配されたため、農民連食品分析センターで放射性物質や残留農薬もすべて調べてもらいました。結果はいずれも不検出。樹里さんは、「“安心して食べられる”と、お客さんからの信頼にもつながっています。調べてもらって、本当によかった」と、話してくれました。
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「樹里の焼き芋」 住所=千葉県香取市大角1802(隣りは山田町農民組合有志が出店する農産物直売所「山田のかかし」)
(新聞「農民」2012.7.9付)
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