STOP TPP!!
市民アクション
――6月は緊急アクション月間
講演とシンポ開く
関連/TPPから国民生活守ろう
TPPを打ち負かそう
立場と分野こえ、さらに幅広い運動を
TPP反対の一点で共同を広げる「STOP TPP!!市民アクション」(農民連、食健連も含め37団体が加入、2団体が賛同)は、G20(20カ国・地域首脳会合)が開かれる6月を緊急アクション月間に設定。「国際会議より市民の声を聞いて!」と、政府への申し入れ、街頭宣伝や署名活動、学習会、インターネットでの発信など多彩な活動に取り組みました。
講演「交渉の現状」
TPP研究の第1人者
ニュージーランドのジェーン・ケルシーさん
(オークランド大学教授)
各国の思惑と日本の参加…
6月21日には、TPP研究の第一人者で「異常な契約―TPPの仮面を剥(は)ぐ」の著者でもある、ニュージーランド・オークランド大学教授のジェーン・ケルシーさんの来日を記念して、講演とシンポジウム「私たちの未来は私たちが創(つく)る。地域で、世界で、STOP TPP!!」が開かれ、およそ150人が参加しました。
「TPPに反対しているみなさんにお会いすると、いつも元気をもらう」と切り出したジェーン・ケルシーさんは、「TPP交渉の現状―各国の思惑と日本の参加をめぐって」と題して講演。アメリカがメキシコとカナダの交渉参加を決めたことについて、「オバマが11月の大統領選挙前に、TPPで(成果として)何かが起こっていることを示す必要があったから。2国の参加は日本とは別扱いで、自動的に日本が交渉に参加することにはならないだろう」と述べました。
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パワーポイントを使って説明するケルシーさんの話を熱心に聞く参加者(東京・千代田区) |
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各分野からTPPの問題点とたたかいが報告された |
政治家に好き勝手させない
また、アメリカの市民団体「パブリック・シチズン」がリーク(暴露)したTPP協定の「投資分野の合意案」について、「秘密裡(り)に進めているなかで真実が明らかになった。これによってより議論が活発になるだろう。ISDS条項(外国企業や投資家が損害を被ったとして直接政府を訴えることができる)に反対しているのはオーストラリアだけだが、私たちはほかの国にも反対するよう訴えている」と強調。
最後に、「私たちは勝ちつつあるし勝てる。同時に、政治家がやりそうなことをさせない行動が必要だ。自信を持って、しかし警戒をおこたらず、国際的な連帯を強化してTPPを打ち負かそう」と呼びかけました。
民主党政権はなぜ突き進む
大妻女子大学教授の田代洋一さんが「なぜ民主党政権はTPPに突き進むのか、その阻止にむけて」について講演。その後、「TPPを止める運動を創る―現場と課題の垣根を越えてつながりあおう!」というテーマでパネルディスカッションが行われました。
全日本民主医療機関連合会副会長の石川徹さん、全労連事務局長の小田川義和さん、日本消費者連盟の纐纈(こうけつ)美千世さん、宮城県生協連合会専務の野崎和夫さんが、医療、労働、食の安全、食と農のつながりといったそれぞれの立場からTPP反対の取り組みなどを報告しました。そして、「これからも立場と分野を越えて、幅広い運動の場をつくっていこう」と誓い合いました。
市民アクション有楽町(京東)で街頭宣伝
「STOP TPP!!市民アクション」は6月18日、東京・有楽町で、TPPに反対する街頭宣伝を行いました。参加団体の代表が代わる代わる宣伝カーからマイクを握り、チラシを配布して、道行く人にアピールしました。
音楽活動家、ジョニーHさんによる、TPP参加に反対する歌でオープニング。
ホームページで「サルでもわかるTPP」を主宰している安田美絵さんは「(TPPは)強欲企業やりたい放題協定だ」と語り、日本消費者連盟の山浦康明事務局長は「とんでもないペテンに満ちたパートナーシップ協定だ」と訴えました。
主婦連合会の山根香織会長は「くらしに直結する重大な問題。食の安全・安心を守ろう」と述べ、全日本民主医療機関連合会の伴香葉さんは「お金のある人だけが医療を受けられることになる。国民皆保険を守ろう」と、それぞれの立場で「TPPから国民生活を守ろう」と呼びかけました。
農民連の吉川利明事務局次長は「悪影響は農業だけにとどまらず、消費者にとっても大問題。田畑を目いっぱい使って農産物を生産し、食料自給率を向上させることこそ最大の国際貢献だ」と述べました。
日本共産党の紙智子参院議員が「みなさんの運動が情勢を大きく動かしている」と激励しました。
(新聞「農民」2012.7.2付)
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