いっそうの検査技術向上を
農民連ふるさとネットワーク
農産物検査員研修会開く
研修会では初めての「分析」作業
農民連ふるさとネットワークは、6月13日、東京・池袋で「農産物検査機関と検査員研修・交流会」を開催。関東や東海ブロックから、19人が参加しました。
今年は「基本に立ち返って、検査能力を見直し、さらに向上させる契機にしよう」と、研修会では初めてとなる同じ試料での「分析」作業を行いました。
米の検査は通常、カルトンと呼ばれるプラスチック製の検査皿に、粒が重ならないように玄米を広げ、目視で「1等」「2等」などと等級決定を行います。「分析」は、玄米20グラムを計量してカルトンに広げ、ピンセットで一粒一粒、「整粒」「被害粒」「未熟粒」により分け、より厳密に「整粒」の割合を分析することで、目視による格付け内容を検証することができます。参加者は分析後、カルトンを並べて、お互いの結果を比較検討し、課題などを確認しました。
大阪府農民連の佐保庚生さんが、検査手法や最近の農産物検査をめぐる情勢について報告。「年間を通じて行うことで、検査に必要な感覚を磨くことができます。なるべく多くの分析・鑑定を行い、研さんを積むようにしましょう」「検査が終了したら、検査結果の検討会を開くことが大切です」などと、説明しました。
その後の交流会では、「組合員からは“君も仲間だろう。どうしてこんなに厳しいんだ”と言われながら、2等や場合によっては3等の格付けをしなければならない」「他の検査機関では農民連よりも検査が緩いという声も聞く」など、「仲間が仲間の米を格付けしなければならない」現場の苦しみも率直に出されました。また、検査員の技術の向上や検査員育成が、現場任せになっている困難さを訴える声も数多くあがりました。
参加者は、「そもそも米の検査を民間に丸投げすること自体がおかしい。米の検査は国が責任を持つべきだと、あらためて運動していく必要がある」と話しあいました。
6月18日には、仙台市でも農産物検査員研修・交流会が開かれ、北海道・東北ブロックの検査員ら17人が参加したほか、北陸以西の西日本は、7月3日大阪農民会館を会場に開催されます。
(新聞「農民」2012.7.2付)
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