TPP阻止
地域から大きなうねりを
新潟・中越地域で反対協議会結成
関連/広範な団体でネット宮城
6月9日、新潟県長岡市で「TPP参加反対中越地域協議会」の結成総会が開催され、約60人が参加しました。
長岡市を中心とする中越地域では、昨年10月にさまざまな団体や世代をこえた人々が参加して「TPPを考えるシンポジウム」が開催され、大きく成功しました。集会終了後、「TPP参加反対の恒常的な運動をすすめる共同組織をつくり、地域に大きく広げていこう」という声が高まり、中越地区労働組合総連合(労連)や農民連などを中心に準備会をつくり、準備を進めてきました。この日までに21団体が参加を表明し、結成総会を迎えました。
総会のはじめに、農民連副会長の真嶋良孝さんが講演を行い、TPP問題の現局面と課題について学習を深めました。
結成総会では、「協議会」の運営や活動方針について中越地区労連の馬場哲二さんが報告し、討論のあと採択しました。討論では「JAグループは1000万署名に取り組んできた。地域から大きなうねりをつくり出していきたい」(越後ながおか農協労組)、「朝市のお客さんに参加反対署名を訴えてきた。地域の農業を衰退させるTPPは絶対許さない」(農民連県央センター)、「雇用破壊が急速に進んでいる。先日も自殺者が出てしまった。弱い者を排除していくTPPは絶対に反対だ」(中越地区労連)、「だれもが安心して受けられる医療制度こそ拡充されなければならない。TPPは医療制度を腐らせる」(民医連労組)などの発言が相次ぎました。
閉会のあいさつに立った農民連長岡支部の佐藤恒夫さんは、「まさに“百害あって一利なし”。中越地域に共同の組織が誕生したことは大変意義深い。本日を起点にTPP参加反対の運動を広げていこう」と呼びかけました。
(新潟県農民連 浦登)
結成集会 情勢緊迫、全力で阻止
宮城県に6月8日、TPP参加に反対する広範な団体・県民が結集する「TPPから食と暮らし・いのちを守るネットワーク宮城(ネット宮城)」が設立され、記念集会が開かれました。ネット宮城は、5つの協同組合(生協連、農協中央会、漁協、森林組合連合会、日専連)でつくる協同組合懇話会が呼びかけ、医師会、歯科医師会や消費者団体連絡協議会、農民連も参加する東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センターなど、幅広い24団体で結成されました。記念集会には、63団体から約700人が集まりました。
集会では、代表世話人の菅原章夫氏(県農協中央会会長)が「TPPを取り巻く情勢は緊迫しており、一刻の猶予もない。安全・安心の暮らしに逆行するTPPの参加阻止に全力で取り組む」と語りました。
また、フリージャーナリストの東谷暁氏が記念講演。農林水産や医療、消費者など5団体の代表が意見を表明し、「TPP交渉参加は、地方経済や社会に深刻な影響を与え、国のかたちを一変させる危険性をはらむ」とする集会アピールを採択しました。
11日には県選出国会議員に緊急要請活動を行い、18日からメキシコで開催される20カ国・地域首脳会合(G20)を前に、政府が交渉参加を表明しないよう求めました。
今後、ネット宮城では県民集会や勉強会を定期的に開き、農林水産、医療、建設、雇用など各分野に及ぶ問題点を検証し、参加反対の意見表明も随時行っていくことにしています。
(宮城県農民連 芳賀緑)
(新聞「農民」2012.6.25付)
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