新たな“安全神話”の復活
|
大阪市長あての要請書を読みあげる県連事務局長の根本敬さん |
ところが野田首相は8日、大飯原発の再稼働に向けて、「国民の生活を守るために」と記者会見で述べました。この言葉は怒りを通り越し、一国の首相の発言として断じて許せません。16万人を超える福島県民が家に帰れる見通しもないなかで生活している実態を、国民と世界に何と説明するのでしょうか。
20キロ警戒区域が解除されて、日常の生活に戻ったのではないかとでも思っているのでしょうか。しかし実際はまったく違います。
震災から1年2カ月後の5月に、南相馬市小高区にあるわが家にようやく帰れるようになりました。しかし、雨漏りはありませんでしたが床はぶかぶかです。水道は止まったままでトイレも使えません。電気が止まっているところも多くあります。ゴミも自宅以外には出せず、ゴミ袋が玄関にあふれています。
関西電力本社前で「原発いらない!」のプラカードを掲げる福島、石川、大阪の農民連 |
農家の命である田畑は草だらけで、元に戻すのは大変なことです。そこに放射能汚染です。住宅こそ避難解除準備区域ですが、田畑は居住制限区域内にあります。国は除染をすると言いますが、安全・安心な農産物が生産できるフクシマを取り戻すことは容易なことではありません。
技術が確立していない原発は、農業と絶対共存できません。福島原発事故を何一つ解決しないなかでの再稼働は、絶対許せません。
[2012年6月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-2012, 農民運動全国連合会