「農民」記事データベース20120618-1025-10

栄村(長野)が取り組む
小水力発電

わき出る地下水を活用


仮設住宅の融雪用電源に

 5月24日、長野県栄村にある小水力発電の取り組みを訪ねました。

画像 栄村の北野天満温泉は、“学問の湯”として村民や観光客に親しまれています。この敷地内に「湧水堂」という八角型のガラス張りの建物があり、中央部から勢いよく水が湧き出ています。この湧水を木製の樋(とい)で外部に流して落下させ、長さ60センチ、内径38センチの小さな水車をまわして発電するという仕組みで、発電量は最大480ワット。

 電気は、地震で被災した近くにある4世帯の仮設住宅に届けられ、冬場の融雪マットの電源などに使われています。

 この湧水は温泉掘削時に湧き出たもので、毎分6立方メートル、通年ほぼ一定の流水量で、2010年には「信州の名水・秘水」に選定され飲料にも使用されていましたが、大半は河川に排水されていました。小水力発電は、この湧水に着目して2009年に長野県のモデル事業(再生可能エネルギー導入可能性調査)として始まったものです。

 村役場の担当者は、「災害に強い村づくりと新しいエネルギーを復興にいかすため、『栄村地域資源活用委員会』を設置して議論を重ねています」と意欲的に語っていました。

(農民連本部 笹渡義夫)

(新聞「農民」2012.6.18付)
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2012年6月

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