奈良県の米屋さんが
被災地宮城へ
東松島市の生産者と交流
奈良県の米卸、奈良第一食糧(株)と米屋さんのグループ「奈良第一食糧米栄会」の8人が6月3日、宮城県東松島市の被災地を訪れました。
お米屋さんの丸もち
奈良農民連のイチゴジャム
前日には、支援物資として手作りの丸もち1400個(約80キロ分)と、奈良県農民連北和センター女性部の手作りイチゴジャムが宮城県農民連の事務所に届きました。これらは、東松島市の二つの仮設住宅に住む約70世帯に届けられ、「遠いところから届けてくれてうれしいです。ありがとう」など、喜びの声が聞かれました。
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矢本農民連と交流する奈良の米屋さんたち |
当日は、東京から農民連ふるさとネットワークの2人も参加。東松島市矢本地区で、矢本農民連会員の8人と県連事務局も含め昼食を食べながら交流し、被災した体験やその後の支援活動を紹介。宮城県連事務局長の鈴木弥弘さんは、大地震による地盤沈下や津波による家屋の流失に加え、放射能汚染にもさらされトリプルに大打撃を受けていると話しました。
参加者から「震災で失ったものは多いと思うが、逆に震災で得たものはありますか」と問われ、矢本農民連会長の三浦勝志さんは、「それは、疎遠にしていた親せきはもちろん、みんなと絆(きずな)が強くなったこと、助け合いです」と語りました。
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東松島市宮戸室浜の仮設住宅で被災者と |
そのあと、被災会員の田んぼや石巻市で最も被害の大きかった門脇小学校付近を視察しました。本来であれば街の中心地で住宅や病院などがあるはずですが、1年以上たった今でも廃車やガレキが山積みになり廃虚となっています。参加者は、黒コゲになって残っている小学校を見て、「悲惨やな。燃え広がっていたところを見た人はものすごく恐かったんだろうな」と、テレビなどで見るより現場に立つことで感じることは多いと話していました。
農民連ふるさとネットワークの横山昭三さんは、「これからは周りの人たちに“被災地は、こうらしいよ”から、自分も見てきたが“こうだったんだよ”と話しながら、復旧復興のために引き続き支援をしてほしい」と話しました。
(宮城県農民連 芳賀緑)
(新聞「農民」2012.6.18付)
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