「農民」記事データベース20120611-1024-08

旬の味


 隣の田んぼでは田植えが終わった。短い苗の先を風がなでながら渡る田んぼを眺めるのが、最近の楽しみだ▼しかし、このところ毎日のように有線放送から霜注意報が流れる。苗にとっても人間にとっても、激しい寒暖の差は厳しいものだ。朝方は10度前後でも、日中には30度近くになることがある▼この時期の農家は、誰もが疲れきった顔をしている。稲作農家は田植えに追われているし、ハウス栽培の農家は「ハウスの中は灼(しゃく)熱だ」とため息をこぼす。「これからはどんどん暑くなって大変じゃないですか」と聞くと、「ここをしのげば、あるていど体も慣れてくるけれど、慣れない今の時期が一番きつい」のだと言う▼わが家では、夏に向けて鶏たちの暑さ対策を始めている。遮光シートを張って日陰を作り、なおかつ風通しはしっかりと確保しなければならない。着替えのできない動物たちのためにも、作業する家族のためにも、できるだけ快適な環境を確保したい。それが私たちのめざすべき場所だと思うから。

(よ)

(新聞「農民」2012.6.11付)
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2012年6月

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