「農民」記事データベース20120528-1022-07

DVD紹介

大野和興監修 アジア太平洋資料センター制作
『お米が食べられなくなる日』


TPP参加で更なる危機に
米作りから考える食の安全

画像 日本人の主食、お米。しかし10年後には、日本で米作りができなくなるかもしれません――。そんなショッキングなナレーションで本作は始まります。

 そこには、めまぐるしく変わる米政策と、米の輸入自由化を契機に持ち込まれた競争の論理が背景にあります。

 米の増産を叫ぶ一方で、大量の小麦の輸入によって、米の消費量が減少すると、一転、生産量を減らすため、生産者に強制減反を押しつけてきました。さらに「効率化」の名の下に進められた耕作面積の大規模化は、中山間地で棚田も多い日本の生産現場に混乱をもたらしました。

 それとともに、米の値段が急落。政府は「米価を下げないための減反」と説明しますが、米価は下がり続ける一方です。その結果、生産者の収入は減り続け、時給に換算した稲作農家の労働報酬は、労働者の最低賃金を大きく下回る179円(2007年)にまで落ち込みました。

 そこに追い打ちをかけるのがTPP。日本が参加した場合に、農水省の試算では、90%もの米が輸入米に置き換わり、店頭に安い輸入米が並ぶことになります。

 DVDは、生産と消費の現場からの声、メキシコやタイの農民の告発も紹介しながら、食糧貿易の問題点、自給の意味、食の安全などについて考える材料を提供してくれます。

▼カラー35分
▼監修=大野和興
▼定価=8000円+税
▼制作・注文先=NPO法人アジア太平洋資料センター(PARC)TEL 03(5209)3455、FAX03(5209)3453

(新聞「農民」2012.5.28付)
ライン

2012年5月

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