国民健康保険税(料)の
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「消費税増税するな!」「国保税を下げろ!」とデモ行進する青森・津軽農民組合のみなさん |
新しく農民組合に加入した人は、減価償却費(均等償却、除却損を含む)や人夫賃、家事関連費の案分、営農資金の借入利子(返済できていなくても発生主義で必要経費に算入)、農地や小屋の固定資産税(宅地、住宅も事業用に供している割合)などを必要経費として取っていない例が意外とあります。「更正の請求」は、納税者が見直し計算した結果を税務署に認めさせるたたかいです。記帳簿、領収書をできるだけそろえて「この通りだから減額しろ」と要求することです。
所得税は「申告納税制度」で、自分で申告して税額が決まりますから、主たる収入が20万円以下の場合は、申告がなければ収入がなかったという申告になり、申告書の提出は必要ないことになっています。しかし、国保税を決める住民税は「付加制度」であり、申告がなければ所得がないというわけにはいかず、市町村が推計して課税することができます。特に、事業専従者や扶養控除にも名前が記載されていない場合には、所得が「ある者」とみなされ、減免されない場合があります。したがって、住民税の申告は大切です。
今年から年金収入400万円以下の場合は、所得税の申告をしなくてもよいことになりました。「兼業農家でどうせ税金はかからないから」と申告しなかった人も、農業所得との合算で「期限後申告」すれば、国保税も安くなる可能性もあります。
また、23年度の所得が基準額を下回る場合には、所得と国保加入者数に応じて、7割・5割・2割の減免制度(法定減免)があります。さらに市町村によっては、災害の被災者や生活困窮者などを対象に独自の「申請減免」の制度を設けているところもあります。「世帯分離」も軽減するための重要な方法です。国保税の内容をよく調べ、制度を十分に活用しましょう。
詳しくは、農民連発行の「税金申告の手引き」をごらんください。
昨年入会のKさん。平成22年分から19年分までの農業所得の収支計算を見直しました。落ちていた減価償却費を加え、さらに収穫前に農協から入るりんごの仮渡金は収入ではないと主張し、棚卸しでりんごの単価を実際に近い価格で評価しました。
平成22年分の「更正の請求」は、Kさんの請求どおり決定。他の年分は「更正すべき理由がない」といったんは却下されましたが、同時に税務署長の職権により請求どおりの決定となりました。払いすぎた国保料も2年分が還付される予定です。
(事例2)「期限後申告」で、2年分で国保税46万円を還付
今年加入のTさん。それまで父親が役場に申告していました。所得税はかからないものの国保税が高いので、平成22年、21年分の農業所得の収支を見直して、落ちていた経費をひろいました。税務署へ2年分の期限後申告をおこない、申告書の控えを市役所へ持っていき、平成23年、22年度の国保税46万円の早期還付を求めたところ、連休明けに還付されました。
[2012年5月]
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