天引き生活保護費の返還求める裁判貧困ビジネスにメス!勝利的な和解が成立
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和解を喜ぶ中村市議(左)と佐藤さん |
分析センターの検査では、カビの菌糸や胞子が確認され、鮮度がきわめて低下していることがわかりました。くず米、砕粒がほとんどで、変色した米も多くありました。
小倉事務局長は「こんな米が出回ること自体、おいしい米を作ろうと努力している稲作農家をばかにしている。くず米の混入は米価引き下げの要因になり、消費者の米離れが進んでしまう」と怒ります。
地裁への証拠書類として、分析センターの検査結果報告書と、それを報道した新聞「農民」(2010年5月3日付)が提出されました。原告弁護団の常岡久寿雄弁護士(千葉市・たすく法律事務所)は、「シナジーライフの不当性を証明するために、数値的なデータが欲しかったので、分析センターの検査結果は、和解に導くうえで大きな影響力をもちました」と振り返ります。
支給された米は、白濁した米、奇形米がほとんど |
佐藤さんは「和解は、いまだに無料低額施設で困っている仲間たちの後押しになったのではないでしょうか。貧困ビジネスを撲滅するきっかけになればいいですね」と喜びます。議会でも追及した中村市議は「生活保護行政の姿勢をただすことに一石を投じたと思います。生活困窮者の自立に向けた努力をさらに支援していきたい」と語ります。丸山慎一県議(日本共産党)も県議会で取り上げ、問題の解決に大きく貢献しました。
農民連食品分析センターの検査結果が裁判所に客観的データを示し、原告の主張の信ぴょう性をゆるぎないものにするうえで、大きな役割を果たしました。
農民連さんには、派遣村(2010年)のとき、全国から米や野菜など炊き出し用の食材を届けてくれて感謝しています。いまも被災地で炊き出しを継続しているようですが、人々が集まり、お互いに顔を見合いながら、つながりをつくっていく場づくりになります。
いまの農業を取り巻く状況は厳しく、農家のくらしも大変です。お互いの立場を尊重し合い、できるところは連携していく関係を維持していくことが大事です。
私たちも引き続き、貧困ビジネスの実態をもっと世間に知らせ、根絶するために、粘り強く働きかけていきたい。
[2012年4月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
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