「農民」記事データベース20120423-1018-09

農民連青年部
がんばれ新役員


被災地農業の現状伝えたい

福島・二本松市 トマト・高原ダイコン
菅野 瑞穂さん(24)

画像 私は、福島県二本松市(旧東和町)で主にトマトや高原ダイコンなどの有機農業を始めて3年目です。野菜スイーツを基盤とした若手農業グループ「やさいのラボ」でも活動中です。

 体育大学を卒業してすぐに実家にもどり、農業を始めました。セパタクローというスポーツにひかれて7年目。地元で自ら立ち上げた福島チームの活動も積極的に行っています。

 私の農業のテーマは、“現場を伝えていく”ことです。大震災と原発事故の後、福島の農業が一変しました。正しい情報のもと、いまの現状を理解してもらうために農業者が「今」を発信すること。そして、ひまわりプロジェクトや夏の野菜収穫&流しそうめん交流会などのイベントやツアーを行って「現場」に足を運んでもらい、人が集まる空間をつくることを目標に活動しています。そして、人とのつながりや農業を通して学べる環境をつくり、ともに成長できる“農業共育”をめざしています。

 将来は、自分の作った野菜などで農家レストランを開いたり、地域ならではの体験ができる場を提供していきたいと思っています。命をつなぐ農業、人とのご縁に感謝しながら多くの人とつながって生きていきたい。


自分の視野広げるいい機会

群馬・長野原町 親子で酪農
山村 聡さん(26)

画像 私は、群馬県長野原町で敷地面積約10ヘクタール、搾乳牛およそ50頭を飼って親子で酪農を営んでいます。現在は牛乳の出荷だけですが、将来はチーズを自分のところで作り販売したいと考えています。

 今回、青年部の役員を引き受けることになり、本当に自分みたいな新参者に務まるのか悩みました。しかし、酪農という仕事は生きものを飼っているので、どうしても自分一人で経営していると外に出る機会がまったくといっていいほどありません。しかし、私は幸運なことにまだ両親が働けるので、多少なら外に出る時間が作れます。また、酪農以外の農業の方々とお会いして、さまざまな観点から農業を知ることができるし、自分自身の視野を広げるためにもいい機会だと思います。

 こういったことは初めてのことなので、何かとみんなに頼ることが多く、迷惑をかけることがあるかとは思います。そんな中でも、少しでもみんなのお役にたてるよう、自ら率先して青年部の仕事にも取り組んでいきたいと思っています。


農業通じ連帯する姿に驚き

静岡・藤枝市 お茶農家
杵塚 佳苗さん(25)

画像 はじめまして。今年から農民連青年部の役員に仲間入りさせていただきました。全国連の青年部総会に出たのは今年が初めてだったので、これから農民連の活動などいろいろなことを教えてもらいながら勉強していこうと思っています。どうぞよろしくお願いします。

 私自身も農家の仲間入りをしたのが最近のことで、2011年4月に入籍して静岡で暮らし始めました。農業というと、若い人があまりいないイメージを持っていましたが、はじめて参加した総会では、若い人たちが積極的に農業でつながろうとしていることに驚きました。なかでも一番印象に残っていることは、青年部の役員の人たちがイキイキしていて楽しそうに総会を盛り上げている姿でした。

「農民連青年部総会」なんて名前だけ聞いたら、堅苦しそうで難しそうな感じを受けますが、いざふたをあけたら農家だけでなく農家でない若者も参加していて、これからの日本を本気で立ち上がらせようとする集まりになっていました。

 結婚した年に、大震災と原発事故による放射能汚染という大変な問題に向き合うことになりました。何も起こらずに平凡な幸せの中にいたら、お義父さんたちが築いてくれた安定した無農薬のお茶づくりや販売に甘えてしまっていたかもしれません。私にとって、新しい商品への取り組みや新規の商談は、頭を悩ませる今までに体験したことのない仕事の分野です。

 私は、「(有)人と農・自然をつなぐ会」の生産者のみなさん、杵塚家の家族のみなさん、そして私たちを応援してくれるお客さんたちに暖かく迎え入れてもらえました。「このご恩をいつか返したい」、そんな思いで今、前向きに目の前の仕事に取り組んでいきたいと思っています。

(新聞「農民」2012.4.23付)
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2012年4月

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