農民連ふるさとネット
新婦人産直交流会
新婦人産直
農民連産直運動の原点
原発事故後
生産者の支えになった
農民連ふるさとネットワークは、新日本婦人の会との産直運動の経験を交流する「新婦人産直交流会」を4月3日、東京都内で開きました。昨年は開催予定日が東日本大震災の発生直後で中止となり、今回は2年ぶり、震災後初めての開催となりました。
今年で23年目に ふるさとネットの堂前貢代表は開会あいさつで、「TPP参加が急浮上する一方で、原発事故以降は、外国産が安全と、西友が中国産米を販売する動きも起きている。こういうなかで、新婦人産直をどう発展させていくのか、議論を深めよう」と呼びかけました。
ふるさとネットの森谷精事務局長が、震災後の情勢や、農民連食品分析センターへの放射能分析器導入など安全・安心を確保する取り組みを報告。福島をはじめ風評被害を受けた関東各県の支援野菜・果物の51%が新婦人の扱いであること、新婦人産直が今年で23年目を迎えることにも触れながら、「新婦人産直は、農民連の産直運動の原点といえるもの。産直で培った信頼を土台に、新たな前進を始めよう」と提起しました。
たくさんの注文
討論では、福島の原発事故後、国産農産物の買い控えが広がるなかで、新婦人産直が生産者の支えになったという発言が数多く出されました。
福島県北農民連の服部崇さんは、原発事故後の除染や賠償の取り組みなどとあわせて、昨年は自分たちが生産した多くの農産物が出荷できなかったことを報告。「“つながっていれば、私たちは負けない”が、福島のスローガン。原発事故で生産者も大きなショックを受けた。しかし新婦人の会員さんをはじめ全国から“ちゃんと検査したうえで大丈夫だったら、食べるよ”とたくさんの問い合わせや注文をもらい、大きく励まされた」と深い感謝を述べました。
栃木産直センターの野村和史さんは、原発事故後、産直センター全体の売り上げが20%近く減るなかで、新婦人産直は5%の減少でとどまっていることを紹介。「こういう困難な時だが、地元新婦人の共同に支えられている。その背景には、センター職員がこまめに新婦人の学習会に足を運んでいることもある。産直品のおいしさを知ってもらい、産直運動を理解してもらう地道な取り組みが、実は近道ではないか」と、思いを語りました。
交流が大切の声
交流が大切という声は、毎月、新婦人との定期協議を開催し、先月で241回を数えたという京都産直センターからも上がりました。「生産者が新婦人会員を訪ねるリレー交流会では、生産者も“新婦人の会員さんはこんな熱い思いで食べてくれているのか”と感動して、もっとがんばろう、となった。食べる側、作る側が直接、顔を合わせることで、お互いの元気と信頼につながっている」と発言しました。
ユニークさが注目されたのは、千葉県の多古町旬の味産直センターの「多古ちゃんうどん」「多古ちゃんひやむぎ」の取り組みです。同センターでは、昨年からリズム小組の若いお母さんや子どもたちと、大麦や小麦をつくる体験交流を始め、収穫した小麦でうどん、ひやむぎに製品化しました。同センターの小林由紀夫さんは「体験や交流をしながら、商品化もしていければ、楽しい産直運動ができる」と交流を通した新たな商品作りの工夫を紹介しました。
(新聞「農民」2012.4.16付)
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