「農民」記事データベース20120409-1016-12

旬の味


 お彼岸が過ぎたというのに、田んぼは雪でまだ真っ白だ。今年は本当に春が遅い。除雪しようにも、まだガチガチでスコップが使えない▼しかし、わずかに雪が解けだしたところから、フキノトウが顔を出している。煮立ったみそ汁に葉っぱをいっぱい入れてガッチリ苦くして飲む。これが私の好みだ▼直木賞作家の葉室麟さんはその著書「銀漢の腑」でこう書いている。「どのように重いかは百姓でなければわかりますまい。…本来、農は国の基本であるはず。それなのに百姓がこれほど苦しむとは苛(か)政というしかありません」▼これは小説のうえでの話なのだが、現在の農政にぴったりとあてはまる。最近、地元のある町で、原木シイタケから基準値を超える放射性セシウムが検出され、出荷停止に追い込まれた▼野田政権の悪政は、原発再稼動、TPP交渉参加、消費税増税、沖縄県民への米軍基地押し付けなど、公約破りをあげれば枚挙に遑(いとま)がない。私たちは、こうした悪政を決して許さない。主権者として。

(千・豪)

(新聞「農民」2012.4.9付)
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2012年4月

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