消費税増税法案を閣議決定
増税を許さずなんとしても廃案に
野田内閣は3月30日、消費税率を2014年4月に8%、15年10月に10%に引き上げることを柱とする増税法案を閣議決定しました。増税を許さない大きなたたかいを巻き起こし、必ず廃案に追い込みましょう。いま、各地で消費税増税をただす学習会、シンポジウムなどが行われています。
応能負担原則に反する消費税
公開研究会で 浦野税理士するどく批判
憲法を研究する法学館憲法研究所(伊藤真所長)は3月22日、公開研究会「消費税と憲法〜応能負担原則を問い返す」を東京・渋谷区で開き、市民や研究者、学生らが参加しました。
立正大学客員教授で税理士の浦野広明さんが講演を行い、消費税は所得額や財産額が減るごとに負担割合が増える逆進性をもつことから、能力に応じて税金を支払うべきとする応能負担原則に反する点を指摘しました。
また、イギリスでは非課税やゼロ税率の品目が設けられているほか、フランスは食料品、医薬品、書籍が、ドイツでは食料品、書籍、新聞などが低税率である一方、日本の消費税は、すべての消費に税金を課すことから、負担が世界で最高水準であることを紹介しました。
さらに、浦野さんは、憲法14条(法の下の平等)、13条(個人の尊厳・幸福追求権)、25条(生存権)などの理念を生かすことによって、「日本国憲法が応能負担原則を採用していることを導き出すべきだ」と述べました。
法学館憲法研究所顧問の浦部法穂・神戸大学名誉教授は、野田政権の「税と社会保障の一体改革」について、「社会保障のためではないことは明らかだ。消費税10%以上のさらなる税率アップにつながるもので、ごまかしだ」と批判しました。
浦野、浦部両氏は、参加者からの質問にていねいに答えながら、消費税の問題点、税のあるべき姿などを語りました。
(新聞「農民」2012.4.9付)
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