農を通した人と人とのつながりを
農の会が定例研究会・総会
農の会は2月25、26の両日、東京・新宿農協会館で定例研究会・総会を開きました。定例研究会のテーマは「農の力―人に伝えること、人と人とをつなげること」。情報社会となった今だからこそ、農を通した人と人とのつながりとは何か、どのようにその力がうまれるのかを参加者で探求しました。
4人から話題提供の報告がありました。長野県佐久市の石川徹さんは、「つながりのある農業へ“やさいの森”プロジェクト」について報告。就農時の苦労から積極的に農業体験を通して人とつながる経営になっていった経緯や、地域の観光産業との連携をめざしていると話しました。
また、東京都小平市の粕谷英雄さんは、「地域コミュニティとしての都市農業」について、農業塾やビオトープというユニークな取り組みと都市農業ならではのつながりについて話しました。
静岡県富士宮市木の花ファミリーの古橋道代さんは、「人と人とのつながりとは?―コミュニティを支えるもの―」について、血縁を超えた共同エコビレッジの中で、人が調和的に集い、その関係が発展していく際に必要な糊(のり)(グルー)を明確に持つことの重要性について話しました。
長野県松本市の石綿薫さんは、「作物と人、農と食とをつなげる農の会の視点」について報告。栽培や飼育は、「生き物」である農作物や家畜と環境との相互作用を基本とするから、自然と人を結びつけるのはまさに農の本質であり、農業者サイドからは農産物を通して人の結びつきを意識していくことがこれからの農のあり方として必要だし、消費者サイドでは、少しでも農にかかわることで自然との結びつきを感じ取ることが大事だと結びました。
その後、参加者から募集した小テーマに分かれ、オープン・スペース・テクノロジー(OST)という手法でグループ討議をしました。
(新聞「農民」2012.3.19付)
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