岩手・紫波
漁民組合が初めて産直販売
三陸直送 “新鮮、安い”と好評
岩手県漁民組合が、内陸の紫波(しわ)町にある直売所「産直あかさわ」で水産物の直売を始めました。初回の3月3日は、山田町のメンバー4人が新鮮な魚介類を販売。屋外の販売コーナーには毛ガニやタラ、サンマ、サメ、タコ、イカ、ナメタガレイ、セッタガレイ、春どりワカメ、フノリ、マツモ、切メカブなどが並びました。
岩手県漁民組合副組合長の佐々木安教(やすのり)さんは「まだ船もそろってなくて、海に出られない仲間も多い。でも、一歩でも前に進みたいという思いで、まずは内陸のみなさんにモノを届けようと思って直売を始めたんです。直売は自分らで価格をつけられるのがいい」と語っています。
まだ雪が残る寒い中ですが、買い物客が次々と足を止めました。土曜日とあって目立つのが家族連れの姿。矢巾町から来た子ども連れの若い女性は「ここの直売所にはよく来ています。タコを買いました。安いのがうれしい」と語っていました。
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“いきがいいよ!”―三陸直送の水産物を販売する漁民組合のみなさん |
漁民組合の佐々木勇さんは「内陸のみなさんにまずは食べてもらいたい。今日はナメタも特価で出しています」と、威勢よく呼びかけます。「タラは汁物にいいよ」「毛ガニは炊くとうまみが逃げてしまうから、蒸すのがおすすめ」と、浜の漁師ならではの調理法も伝授。被災地の現状も交流しながら販売を楽しんでいました。
「産直あかさわ」組合長の作山幸三さんは、「沿岸のみなさんの復興につながればいいと思っています。紫波は果物の産地なので、そのうちにこちらから届けてお互いにモノで交流できれば」と語っています。漁民組合の直売は、今後も毎週土曜日に開催する予定です。
(岩手県農民連 岡田現三)
(新聞「農民」2012.3.19付)
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