子どもの医療費無料化を
ふくしま復興共同センター
12万筆余の署名提出
関連/米の作付け制限やめ全量買上げを
「安心して住み続けられる福島を」――2月24日、福島県農民連も加盟するふくしま復興共同センターと同センターの放射能対策子どもチームが、総勢150人、貸し切りバス4台で上京し、国会議員への署名提出や政府交渉などに取り組みました。
福島県では、佐藤雄平知事も子どもの医療費を無料にするよう国に求めるなど、国が責任をもって原発事故の放射能汚染から福島県民の健康を守ることを求める声が高まっています。しかし野田首相は「福島だけ特別扱いはできない」などと、子どもの医療費無料化をかたくなに拒否する姿勢を崩していません。
今回の行動では、国会内で署名提出集会を開き、18歳以下の子どもの医療費無料化制度の創設を求める署名を、民主党衆院議員の太田和美さんの秘書や、日本共産党衆院議員の高橋千鶴子さん、同参院議員の紙智子さんらに提出。子どもチームの代表は、12万筆余の署名の箱を山積みにして、「原発事故後、福島の子どもたちはいまだにのびのびと外遊びができません。各種の調査でも幼児は体重が増加せず、小学生には肥満児が増えるなど、低線量被ばくの影響は明確でなくても、閉じこもり生活による体力低下は明らかです。せめて18歳未満の子どもの医療費は国の責任で無料に、というのは私たち福島県民の悲願です。原発の推進は国策。再考してください」と訴えました。
政府交渉で復興庁はこうした願いに対して、「国の制度の根幹にも影響を与えるので難しい」とこれまでの答弁を繰り返し、横柄とすら受け取れる態度に終始しました。
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報告する福島県農民連の亀田俊英会長 |
政府交渉
政府交渉では、「米の作付け制限をやめ、国が全量買い上げ、管理すること」や、「原発事故の賠償金に課税しないこと」なども要求しました。
福島県農民連の佐々木健洋さんは「作らなければ田畑は荒れ、高齢化した農家の離農が進んでしまう。万全の放射能検査の体制を敷くとともに、栽培から流通、消費まで国が一貫して管理し、責任を果たすべき」と求めました。
また、政府が4月からの実施をめざしている「避難区域の見直し」についても、「国は当初、原発からの距離で区域指定し、今度は放射線量で線引きして、地域を分断しようとしている」、「政府は“年間被ばく量20ミリシーベルトの地域は安全だから、戻って暮らせ”と簡単に言うが、現実には戻れない人も大勢いる。避難区域の見直しが、賠償の打ち切りとならないようにすべきだ」という悲痛な声が相次ぎました。
賠償金に課税するな
原発事故の賠償金に課税される問題で、農民連、全国商工団体連合会と福島県商工団体連合会は2月24日、財務省に要請しました。
現行制度では、原発事故で支払われた賠償金のうち、営業損害の減収分(逸失利益)などについては、事業所得とみなされて課税対象になっています。これに対し、農民連は「今日、明日の暮らしも見えないなかで、やっと一部が支払われた賠償金に税金をかけるとは、どういうことだ」と強く抗議。原発事故の賠償金は非課税とするよう、求めました。
(新聞「農民」2012.3.12付)
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