青年部第20回記念レセプションでの
あいさつから
民青同盟委員長 田中 悠さん
農民連青年部が2月11日に開いた第20回総会記念レセプションで、日本民主青年同盟(民青同盟)の田中悠委員長があいさつしました。その大要を紹介します。
原発事故繰り返さぬために
声をあげ、行動していこう
民青同盟は、青年の生活向上や平和、民主主義の実現など、いろんな要求を束ねてその実現をめざそうとがんばっている団体です。ふだん、農民の方と触れ合う機会がないんですけれども、この一年は触れ合う機会がたくさんありました。
昨年、津波をかぶってしまった宮城県亘理(わたり)町のイチゴ農家のビニールハウスで、「なんとか農業を再生してほしい」と泥出しを手伝いました。うれしかったのは、その方から手紙が届き、「なんとか再開できることになりました。イチゴをこれからも作り続けていきます。青年のみなさんに勇気をもらいました」という内容で、大変ななかで一歩一歩復興をめざして農業を営むみなさんの力強さを感じました。
昨年4月に、福島のハローワークの前で青年の声を聞こうと調査をしたのですが、そこに農家の方も来ていて、30歳の方が吐き捨てるように「もう農業はできないから、別の仕事を探しに来た」と言いました。
私は、かける言葉が見つかりませんでした。「続けてほしい」と言える状況ではないし、「大丈夫です。なんとかなります」とも言えない。「それは賢明な選択ですね」とも言えません。私たちにできることは、原発事故を繰り返さないために、自分が何をするかを考え、行動することだと思います。
先日、福島から避難している高校生が京都に転校してきて、民青同盟の仲間になったのですが、避難した人は、周りの人から「逃げた」と言われるのがこわくて、避難してきたことを言えない。逆に、福島に残っている人は「なぜ逃げないんだ」と攻撃するような言い方をされるという話も聞きます。敵でもないのに、お互いに批判し合ってしまうような苦しい、悲しい状況にあります。
たたかう相手は、国と東京電力です。私たちがやらなければならないことは、こういう社会のあり方を変えることだと思います。そういう声を出せない状況だからこそ、出せる人がどんどん出していく必要があります。いまこそ農民連の出番です。これからも一緒にがんばりましょう。
(新聞「農民」2012.3.5付)
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