東電は早くシイタケ賠償せよ
岩手県農民連が一関市で説明会ひらく
誠意のない姿勢に批判次々
岩手県農民連は2月2日、一関市大東町で、「福島原発事故によるシイタケ生産農家の全面賠償を東京電力に求める説明会」を開催しました。深刻化している県南地域のシイタケ農家の要求をうけて、急きょ開催したもの。会場にはシイタケ農家を中心に、JAいわい東の組合長や市役所の職員を含めて60人が参加し、東京電力からは東北補償相談センターの5人が出席しました。
主催者を代表して、西磐井農民組合の高田一郎組合長は「JAいわい東農協には原発事故でシイタケの在庫が8トンも積みあがっている。被害農家の権利回復のために損害賠償に取り組み、仕事と生活のすべてを取り戻す」とあいさつ。
東京電力は賠償請求の概要について説明したものの、農家からは「具体的にいつ払うのか明確に答えてほしい」「『書類はコールセンターに問い合わせてくれ』というが、農家にとってはまずそういうのが負担だ」と、批判の声が相次ぎました。また、「埼玉ではすでにシイタケの損害賠償が支払われているのに、なぜ岩手はすでに出している農協(協議会)の請求にもこたえないのか」との質問に対して、「『中間指針』では風評被害の対象県に岩手は入っていないこともあり、遅れている。指針に入っていないからといって賠償しないということではないが」と東京電力は回答。若手の生産者から「岩手県南は環境省により汚染状況重点調査地域に指定されるなど、汚染が明らかになっている。埼玉同様に早く進めてほしい」と重ねて要望が出され、改めて指針の問題点が浮き彫りになりました。
東磐井農民組合の千葉太郎組合長は「すべての農家が賠償されるまで、何度でもこういった場を設けていきたい」と語っています。
(岩手県農民連 岡田現三)
(新聞「農民」2012.3.5付)
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