豪雪の青森・下北地方
国道通行止め・車中泊続々…
大混乱
おにぎり・カイロ “あったか救援”
2月1日から2日にかけての暴風雪で、青森県下北地方は真っ白におおわれる“ホワイトアウト”状態となりました。
主要な国道279号は吹きだまりとなり、除雪車が積雪に追いつかず、のべ60キロ以上が通行止めになりました。このため、400台以上の車両が立ち往生し、約430人が小中学校などの避難所や、車中で眠れぬ一夜を過ごしました。
スクールバスの中学生や仕事帰りの人など、多くの住民が巻き込まれ、大混乱となりました。ようやく開通したのは翌日の夕方で、19時間半後となりました。
車両で一夜を明かした農民組合員の森川芳治さん(75)は、「猛吹雪でまったく前が見えず、慣れた道路でも路肩に突っ込んでしまう車がいっぱい出た。あまりの雪にワイパーも止まりそうで、見る間に雪は積もり車が埋もれていき怖かった」と語っていました。
私と夫は、ようやく片側除雪された深夜になって現場方面に走り、コンビニの駐車場で車中泊する車の人たちに声をかけ、避難所までの誘導やおにぎり、カイロの配布など、朝方まで救援活動を行いました。また地元の消防団は、朝まで埋もれた車両からの脱出援助や誘導を行い、お母さんらは自主的に避難者にトイレを提供し、毛布やおにぎり、紙おむつ、軽食などを差し入れました。
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ボランティアが屋根の雪おろし(横浜町) |
その後、地元紙には「寒い中でも、あったか横浜町」と取り上げられ、避難者からお礼状が数多く役場に寄せられました。3・11の大震災以降、“備えあれば憂いなし”、いつどこにやってくるかわからない災害ですが、ともに助け合うことの大切さをあらためて感じた豪雪体験でした。
(青森・南部農民組合 沖津由子)
(新聞「農民」2012.3.5付)
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