大変な時に増税とはなんだ!消費税なくす会がシンポ
民主党・野田政権は、「社会保障と税の一体改革」と称して、消費税を2014年に8%、15年に10%に引き上げる大増税法案を成立させようとしています。消費税をなくす全国の会は2月7日、東京・全労連会館で「いまの時期に増税とはなんだ! 消費税増税と社会保障の一体改悪を考えるシンポジウム」を開き、約140人が参加しました。
増税は復興の足かせになる「一体改革」を阻止しないとなくす会常任世話人の増本一彦さんが主催者あいさつ。「今回のシンポは、民主党政権による自らの選挙公約をじゅうりんした『一体改革』と、今国会への法案提出という暴挙のなかで開かれる。この『一体改革』を阻止するために、さらに知恵と力を結集する努力を傾けよう」と訴えました。
4人のパネリストが発言しました。立正大学の金子勝教授(憲法)は、憲法が定める「国民主権」の原理から、消費税の不当さを暴露。主権者である国民は、租税の種類、税率のあり方・使い方を国家に託す「託税者」だと強調し、「託税者」は、自分の租税が憲法違反の使い方をされた場合、租税の返還や「託税」拒否の行使ができると説明しました。 また、「託税」は、収入の多い人には高い税率を、少ない人には低い税率を課すことによって、実質的な平等が確保されるとし、「日本の消費税は、収入の少ない人ほど負担率が高く、多い人ほど負担率が低い。しかも収入の少ない人に対する負担軽減措置もないから、実質的な平等に反する違憲の存在だ」と批判しました。
中小企業者は転嫁できない立正大学客員教授で税理士の浦野広明さんは、消費税の納税者が「事業者」である点に着目し、「中小企業は、値下げ競争などによって消費税を単価に転嫁できないが、力のある大企業は、100%転嫁も可能だ」と指摘。自動車、電機などの巨大輸出製造業(多国籍企業)は、輸出売り上げにはゼロ税率が適用されるので、法外な利益を手にすることができると述べました。さらに、「消費税率を上げれば、輸出製造業の還付額はさらに増える」として、「TPPは、関税・非関税障壁を撤廃させる協定、つまり太平洋をまたにかけた輸出企業の利益追求戦略協定だ」と語りました。 全日本民主医療機関連合会の長瀬文雄さんは、被災地や高齢者など、社会的弱者に重くのしかかる消費税の理不尽さを告発。岩手、宮城、福島の被災3県は、震災前から医師の不足が深刻で、医師数が全国平均の半分以下という医療過疎地だった点を指摘しました。 また、消費税が導入されて以降、患者負担は増え、全国の病院数も減り続ける一方だと強調し、「消費税増税阻止、社会保障充実の運動を進めていきたい」と述べました。 農民連税対部副部長の村田深(しん)さん(茨城農民連)も「農業つぶしの消費税はいらない」と報告しました。(別項)
これ以上どこを削れというのか怒りと悲鳴が聞こえないか会場からは、増税に対する怒りの発言が相次ぎました。福島市から山形県米沢市に、家族5人で自主避難している男性は「自主避難者には損害賠償がない。自宅ローンや、家財購入などの支払いが大変。増税は復興の足かせになる」と涙ながらに訴えました。 東京土建からは、「建設労働者は仕事がなくて大変。仲間に5万円の仕事を分担してもらったが、2500円の消費税を払えないというので、代わりに払った」と転嫁できない中小企業の実態を語りました。 新日本婦人の会の代表は「家計簿モニターから、『もうこれ以上、削るところはない。どこに負担できるところがあるんだ』と怒りと悲鳴が聞こえてくる」と紹介しました。
日本の農業つぶしの
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[2012年2月]
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