「農民」記事データベース20120213-1008-07

東北の子どもに
お米と笑顔を届けよう!!

神奈川 保育園の会

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 神奈川県内の保育園などでつくる「被災地の子どもたちにお米と笑顔を届ける保育園の会」は1月14日、横浜市内で「東日本大震災の復興支援チャリティーコンサート」を開き、子どもたちの「龍舞」と和太鼓「響き」の共演に、立ち見も出るほど会場いっぱいの600人以上が集まりました。


チャリティーコンサートで
園児たちが“龍舞”を熱演

 20トンの支援米に収益金を充てる

 「保育園の会」は、山形・庄内産直センターの農家と協力して、日ごろ食べている安全でおいしい庄内米を被災地の園児にも食べてもらおうと、被災地の子ども支援のために設立したもの。昨年4月から各園の職員や保護者が農家と協力して被災地を回り、これまで岩手県陸前高田市や宮城県南三陸町の保育園などに15トンの米と義援金を届け、炊き出しのボランティア活動も続けてきました。この活動の輪をさらに広げようと開いた今回のチャリティーコンサートの収益金は、目標とする20トンの米支援に充てられました。

 コンサートにむけて、横浜中華保育園の謝賢栄さんが保育園を回って中華伝統芸能の“縁起物”とされる「龍舞」を指導。コンサート当日は、小雀(こすずめ)みどり保育園やおおぞらひまわり保育園など6つの園児、約100人が、6つの“竜”を操って演じ、子どもたちが会場内を練り歩くと大きな歓声が湧きあがりました。

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「いっしょうけんめい踊ったよ!」―「龍舞」を熱演する園児たち

 庄内産直センターからも菅井巌さんや菅原司さんら5人が駆けつけ、「子どもたちの演舞に私たちのハートも熱く揺さぶられた。今後の支援に向けて大きな活力になった」と話しました。

 夏祭りやバザー支援に切り換え

 小雀みどり保育園・園長の川辺初美さんやおおぞらひまわり保育園・園長の斉藤由紀子さんが初めて被災地を訪れたのは、昨年4月下旬。陸前高田市に立った時には言葉がなかったと言います。川辺さんは、「私たちにできることは義援金を届けるくらいかなと思っていたのですが、いっしょに行った庄内産直センターのみなさんと相談して、命の糧であるお米を送ろう、保育園らしい支援をしようと決めました。目標を20トンにしたのは、もうそのときの勢いでした。金額にしたら600万円。それがどんなにたいへんなお金かも考えずに決めたのです」と、当時を振り返ります。

 それから、横浜市内の保育園を中心に「被災地の子どもたちにお米と笑顔を届けよう」と呼びかけました。例年行っている夏祭りやバザーは、すべてチャリティーにして保護者にも訴えました。

山形・庄内産直センターと協力し
保育園らしくさらに力強い支援を

 “ありがとう”のかわいい声に…

 陸前高田市の隣町出身でおおぞらひまわり保育園の保護者、勝部美穂さん(チャリティ・コンサートの実行委員長)は昨年8月、陸前高田市を訪れ、保育園にお米を直接手渡しました。「『おいしいお米、ありがとう』、かわいい声に目頭が熱くなりました。私たちが今できること、今だからできることを長い時間をかけて考えていきたいと心から思いました」と話します。

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昨年12月9日、陸前高田市の保育園にお米を届けました(左から2人目が川辺さん)

 また、お米をいただいた陸前高田市の長部保育所からは「直接訪ねてくださり、お米やあたたかい励ましをありがとう。私たちにできるお礼は、子どもたちの元気な様子をお伝えするくらいです。あたたかなお気持ちに感謝を込めて」という手紙や、仮設住宅の自治会長さんからは「昨年まで稲作をしていた私には、胸にグッとくるものがあり、思わず涙がこみあげてきました。来年はこのようなおいしい米を作付けしたい。子どもたちにもいっぱい食べさせます」というはがきが届きました。

 保育って、支え合い教えること

 斉藤さんはこう言います。「1年計画なので、もう少しです。2年目に向けた支援をどう行っていくのか。これまでの取り組みを無駄にしないで、お米と笑顔でつながっていきたい。保育って、みんなで支えあうことを教えていくこと、そのものなのですから」。


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岡山市南区 中村 和子

(新聞「農民」2012.2.13付)
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2012年2月

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