明治粉ミルク汚染でシンポ会社はセシウム検査公表せよ明乳争議団が企業体質を告発
株式会社明治(昨年、明治乳業が明治製菓の菓子部門を吸収)の「乳幼児用粉ミルク」が昨年12月、放射線セシウムに汚染され、40万缶が回収された問題で、明治乳業争議支援共闘会議と明治乳業争議団は1月28日、東京・新宿農協会館で「明治の粉ミルク汚染を究明し食の安全を求める緊急シンポジウム」を開きました。 3氏がパネリストを務めました。東京農工大学名誉教授でフェリス女学院大学前学長の本間慎さんは、セシウムの健康への影響について報告。福島原発の事故によるセシウム137の排出は、広島に投下された原爆の168倍だったと政府が試算していることを紹介し、「体内での被ばくは低線量でも危険だ」と述べました。 明治の粉ミルクの汚染については、(1)大気中のセシウムが工場の室内に入り、ミルクを汚染させた(2)工場で使用される水が汚染された(3)原乳が汚染されていた―の3つの説があることを紹介し、「いずれの説をとるにせよ、明治は自社製品が汚染されているかどうかをチェックし、安全な製品を消費者に提供する姿勢が必要だ」と指摘しました。 石川県民主医療機関連合名誉会長の服部真さん(全国労働安全衛生コンサルタント会理事)は、粉ミルクのセシウム汚染と内部被ばくについて講演。原発事故で放射性物質が3月15〜16日と21日に多く降り注いだ事実を述べました。また、放射線の人体への作用として、遺伝子変異や細胞機能の低下、がんになる確率が高まる、などの問題点を示しました。 対策として「すべての被ばくは、達成可能な限り低く抑えるべきだ。被ばくのリスクを見積もり、できる限りリスクを減らすための情報が必要だ」と警鐘を鳴らしました。 明治乳業争議団団長の小関守さんは、「不祥事・不正行為の絶えない明治の企業体質を斬(き)る」のテーマで告発。明治が大震災や放射能汚染への対応を通じ、独自の検査や数値の公表を拒否してきた点と、汚染経路など汚染原因についてかたくなに隠ぺいしている姿勢を批判しました。 その背景には、明治乳業時代からの、不祥事・不正行為が絶えない、死亡災害が続く、労働争議が絶えないなどの異常な企業体質があることを告発しました。 最後に、小関さんは「働く者の仕事や諸権利、暮らしを守り、食の安全・安心を守る労働組合の果たす役割は大きい。労働争議の解決と放射能汚染から『食の安全』を守るたたかいに全力をあげたい」と決意を述べました。
税金ひとこと申告書不提出者を脱税扱い自己判断せず必ず自主申告を確定申告の時期を迎え、“さっそく税金の準備をはじめよう”と、税研出版局発行の「確定申告の手引き」を買い求めてみましたが、改めてその改悪ぶりに驚きました。所得税の計算、申告、納税手続きなどの改正点の記述のなかで、年金所得者の申告手続きの簡素化や東日本大震災の被災者等に対する税制上の処置などとともに、次の記述がありました。 「故意の申告書不提出によるほ脱犯の創設」で、「確定申告書等をその提出期限までに提出しないことにより所得税を免れた者は、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」こととされました。 農家の多くは収入が減り、申告の必要がないなどと自己判断して、この規定に掛けられる可能性があります。おおいに自主申告を呼びかけましょう。 (農民連税対部長 坪井貞夫)
(新聞「農民」2012.2.13付)
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[2012年2月]
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