「農民」記事データベース20120123-1005-12

旬の味


 地域行事の「三九郎」があった。他の地域では「どんと焼き」などと呼ばれる無病息災や五穀豊穣(ほうじょう)を祈る正月行事。松飾りやダイズ殻などを独特な形に積み上げてたき上げる祭りだ▼この地区では、小学校の上級生とその親たちが中心となって行われているが、子どもの数が減り、「三九郎」の組み方や段取りが伝承されず、地区町会との連携も取りにくくなってきている。外から転入してくる家庭が増えたためか、材料や道具類が集まりにくくなり、面倒な行事はやめようという意見も出始めている▼怖いのは無関心だ。地域のために働くことに対して面倒だ、損だという感覚でとらえる住民がいる。役員経験者も“のど元過ぎれば何とやら”という感覚になっている▼絆(きずな)が再認識されている一方で、理不尽で不合理なTPP推進がまかり通るのは、無関心や利己的な心が巣くっているからだ。身近な日常の人と人とのかかわりのすべてにおいて、ともに生きている実感や共感・共有の心を高めていくことが必要だと思う。

(綿)

(新聞「農民」2012.1.23付)
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2012年1月

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