旬の味
地域行事の「三九郎」があった。他の地域では「どんと焼き」などと呼ばれる無病息災や五穀豊穣(ほうじょう)を祈る正月行事。松飾りやダイズ殻などを独特な形に積み上げてたき上げる祭りだ▼この地区では、小学校の上級生とその親たちが中心となって行われているが、子どもの数が減り、「三九郎」の組み方や段取りが伝承されず、地区町会との連携も取りにくくなってきている。外から転入してくる家庭が増えたためか、材料や道具類が集まりにくくなり、面倒な行事はやめようという意見も出始めている▼怖いのは無関心だ。地域のために働くことに対して面倒だ、損だという感覚でとらえる住民がいる。役員経験者も“のど元過ぎれば何とやら”という感覚になっている▼絆(きずな)が再認識されている一方で、理不尽で不合理なTPP推進がまかり通るのは、無関心や利己的な心が巣くっているからだ。身近な日常の人と人とのかかわりのすべてにおいて、ともに生きている実感や共感・共有の心を高めていくことが必要だと思う。 (綿)
(新聞「農民」2012.1.23付)
|
[2012年1月]
農民運動全国連合会(略称:農民連)
本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224
Copyright(c)1998-2012, 農民運動全国連合会