東電担当者よんで賠償請求
岩手・二戸農民組合
“賠償する姿勢はっきり示せ”
腐葉土禁止で熱源代用費が大変
子牛の価格暴落で出荷できない
基準値以下でも買い手つかない
岩手県農民連・二戸農民組合は昨年の12月27日、一戸町で福島原発事故による東京電力への損害賠償要請・説明会を行いました。要請には、東京電力東北補償相談センターから5人の担当者が出席。事前に案内や宣伝を行ったこともあって、農家をはじめ、地域住民、県の振興局や町役場の職員も含め30人以上が参加しました。
浄法寺町と軽米町のタバコ農家は、「発酵熱を熱源にするため、山からとってきた腐葉土をタバコの苗床に使っている。ところが、今年は放射能で汚染されている恐れがあるので使ってはダメだと言われている。代わりに電熱器を入れるとなるとたいへんな経費がかかるが、その費用は賠償されるのか」と問いただしました。また、一戸町の酪農家は、「子牛や廃用牛の価格が暴落しており、移動規制もあって出荷することもままならず、経営を圧迫している」と悲痛な声が出されました。このほかにもクルミ、山菜、キノコ、木炭、シイタケほだ木、キュウリの苗土など、幅広い品目について実態が出されました。
これに対して東電側は、「損害賠償の指針に基づいて対応する」と回答。参加者からは「はっきりと賠償できるという姿勢を示してくれないと営農の展望がもてない」などの声が相次ぎました。また、「基準値を超えて出荷規制がかかったものは明らかに賠償の対象となるというが、基準値以下でも買い手がつかないのが実態だ」という意見も出されました。
二戸農民組合では、年明けから被害金額の計算会も行いながら、賠償請求を進めていくことにしています。
(岩手県農民連 岡田現三)
(新聞「農民」2012.1.23付)
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