「農民」記事データベース20120116-1004-06

伝統食列車第20号走る

食もエネルギーも地産地消


庄内地方(山形)を訪ねる旅

 地域の伝統野菜「赤ネギ」づくり

 白鳥が落ち穂をついばみに田んぼに降り立つところ、それが山形県の庄内町です。「日本の伝統食を考える会」の第20号伝統食列車は、昨年12月2〜4日、食はもちろんエネルギーの地産地消もめざしてがんばっている庄内町などを50人余りで訪ねました。

 小春日和の1日目。さっそく伝統野菜「赤ネギ」の畑へ。減反拡大への対策と直売所開設の目玉商品として“秋の特産を”という願いから、赤ネギに挑戦して10年。やっと黒字経営が見えてきたそうです。

 また、合併しないでがんばっている余目町農協から、「人づくり・土づくり・米づくり」を合い言葉に、すべての稲作農家が参加して取り組んでいる特別栽培米「つや姫」の振興について報告を受けました。ここは、コシヒカリや「つや姫」の先祖で、いまは酒米として復活している「亀の尾」という品種の発祥の地。その資料館も見学して、ここでも地域の伝統を大切にする思いに触れることができました。

 放射能汚染問題で討論会を開催

 2日目は、あいにくの風雨の中でしたが、町あげて取り組んでいるエネルギーの地産地消をめざす町づくりやグリーンツーリズムについて視察しました。「日本三大悪風」と言われる“清川だし”を逆手に取った風力発電や、廃食油利用の燃料や木材ペレット、天然ガス利用など、地域の資源や農作物、地形を利用したさまざまな取り組みが町を元気づけています。

 また、農協役員も参加して「放射能汚染の下での食と農、エネルギー問題」をテーマに討論会も開催されました。福島県北農民連の阿部哲也副会長、余目町農協の森屋要二組合長、静岡無農薬茶の会の杵塚敏明会長をパネリストに、私がコーディネーターを務め、放射能汚染の現状と復旧・復興への取り組み、農山村にある自然エネルギー資源の利用、そして食生活や農業のあり方まで幅広い討論を行いました。

 その後、町長も参加して、農協女性部などのみなさんが作ってくれた庄内の郷土食、「つゆ餅」や「ハタハタの田楽」などをいただきながら、楽しく交流しました。

(全国食健連事務局長 坂口正明)

(新聞「農民」2012.1.16付)
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2012年1月

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