「農民」記事データベース20120102-1003-10

浜の活気を取り戻したい

岩手 山田漁民組合


農民連が一番頼りだ
結成後すぐ団体加盟

画像 東日本大震災の津波で大きな被害を受けた岩手県山田町。鮭やアワビ、養殖のワカメや牡蠣(かき)が盛んな地域です。「生活と漁業を守るためには協同が必要だ」と、津波からの復旧にむけた取り組みの中で、11月23日、被災した漁民20人が「山田漁民組合」を結成。岩手県農民連の役員とも懇談を持ち、農民連に団体加盟することになりました。

 すべてを流された漁師たちは、限られた漁船や漁具を共同で使って、なんとか漁に出たいという思いを募らせています。「船がなければ何もできない。なんとかして全国のみなさんの力で船が手に入れば…」、これが共通した願いです。

 そして鮭漁を再開するにあたり、漁民組合が求めているのは刺網(さしあみ)漁の解禁です。これまでの鮭漁は、個人は延縄(はえなわ)、漁協は定置網で漁を行ってきました。刺網漁は宮城県と青森県では認められていますが、岩手県では禁止されています。「刺網が認められれば安定的に漁ができ、漁民ひとりひとりに利益が行き渡る」と、山田漁民組合の佐々木安教(やすのり)組合長は話します。

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山田町の漁民たち。右から2人目が佐々木組合長

 また漁民組合では、地域の漁業を再生するためには漁協の取り組みが重要だということが話し合われ、さっそく漁協に対し、総会を開催して復旧・復興と再生への取り組みを明確にすることや、組合員が必要としている漁船・漁具・養殖用資材の確保などを求めています。

加盟ニュース 三陸走る
各地で漁民組合結成の動き

 山田町の取り組みは、三陸沿岸全域に波及しています。12月6日には、山田漁民組合の呼びかけに応えて、大船渡市や田野畑村、洋野町の漁民も参加して「つどい」が開かれ、北から南までの漁師が集まって意見を交わしました。そして、それぞれの地域でも漁民組合を立ち上げることになりました。

 佐々木組合長らは、「みんなが協同して浜の活気を取り戻したい。農民連のつながりを生かした産直で海の幸を届けたい」と、意欲を燃やしています。

(岩手県農民連 岡田現三)

(新聞「農民」2012.1.2付)
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2012年1月

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