「農民」記事データベース20120102-1003-09

農家の力や怒り引き出した農民連
(2/2)

全面賠償かちとった桃農家
大いに語る 福島

関連/農家の力や怒り引き出した農民連(1/2)
  /農家の力や怒り引き出した農民連(2/2)


たたかいあってこそ
仲間が大勢ふえる

画像 大橋 あの怒りっていうのは、われわれの仲間だった須賀川の樽川久志さんのことや、「原発で手足ちぎられ酪農家」と遺言を書いて自ら命を絶った相馬市の酪農家のことなんか、みんな悔しいと思っていたんだな。

 服部 そうだよ。損害賠償を請求した24人の農家は、単に請求だけしているんじゃない。4月26日の東電本社前の抗議行動をはじめ、7月2日の明治公園でやった集会や10月30日の「原発なくせ」福島の1万人集会にも参加しています。そのなかで、ものを作る農業と原発は相いれないということを、みんな肌身で感じている。たたかわなければ勝ち取れないと、確信したんだ。

 玉根 全面賠償を勝ち取ったあと、桃の生産者で反省会をやったけど、そこで出た声は「さすが農民連。よくやってくれた」「農民連に入っていてよかった」「農協の関係者が『農民連はよくやっている』と感心していた」というものでした。

 服部 おれなんか、みんなの話を聞いて涙が出ましたよ。農民連は、農家の力や怒りを引き出す組織なんだってことを実感しました。

 大橋 そうそう、だんなさんに代わって出席した奥さんが「(夫が)農民連のことばっかり一生懸命やってて心配だったけど、一番頼りになるのが農民連だということがよくわかった」と言っていたなあ。

 年末の2ヵ月で40人以上増えた

画像 服部 その後、あんぽ柿が生産自粛になったというので、10月24日に説明会を呼びかけたら、100人以上が集まってくれた。多くが農民連の会員以外の人で、そのときの東電の回答は「11月15日までに請求してくれれば、12月20日までに特例で支払う」というもので、実際に約束どおり29人の生産者に支払われました。

 大橋 こういう話がバーッと口コミで広がって、農協もあわてて説明会を開いているし、「おらほにも来て説明会を開いでくれ。人集めっから」という電話もかかってくる。いわば、農民連がリードしているというわけだ。会員も11月、12月の2カ月だけで40人以上も増えました。1年だけのたたかいではないわけで、今後、米やりんごにもつなげていかなくちゃならない。

 玉根 賠償請求の取り組みは4月から始めて、説明会の案内を3万5000枚もまいたけど、最初はちょぼちょぼしか集まらなかった。でも、ああいう農民連の取り組みがあったからこそ、いまの成果があるんだ。「たたかいのないところに会員拡大なし」だ。

 大橋 損害賠償を勝ち取るだけでなく、「原発ゼロの社会へ」「TPP交渉に参加するな!」という食と農を守る運動とも結び付けていかなければならない。産直に野菜をだしているおばさんが7000円の請求書を出したけど、これも原発への怒り、もう原発はいらないという思いからだよね。

 服部 農民連の事務所は、全国から届けられた激励の寄せ書きや絵手紙、折り鶴などで埋めつくされています。福島だけのたたかいではないんですよ。全国のみなさんから支援がなければ、このたたかいもがんばれなかった。本当にありがとう。今年は、500人の会員をめざしてがんばります。

〔前ページ〕<< □         

(新聞「農民」2012.1.2付)
ライン

2012年1月

農民運動全国連合会(略称:農民連)
〒173-0025
東京都板橋区熊野町47-11
社医研センター2階
TEL (03)5966-2224

本サイト掲載の記事、写真等の無断転載を禁じます。
Copyright(c)1998-2012, 農民運動全国連合会