「農民」記事データベース20111212-1001-12

旬の味


 袋づめにされ、出荷を待つばかりに仕上がった米に、“待った”がかかった。原発から50キロ余りも離れた福島県伊達市の霊山町での惨状だ▼特定避難勧奨地点に指定しながら、検査体制の不備と怠慢を露呈した行政の大失態であり、信頼は遠のくばかりだ。オレンジ色に連をなし、初冬の紅葉とさえ呼ばれるあんぽ柿の干し場の風物も生産自粛で消え去り、1年を締めくくる米への期待ももぎ取られてしまった。待てば甘露の日和あり…。四季の恵みとともに励み続けてきた農民の生きがいをこわしたのは誰だ!▼そんななか、農民連は桃の全面賠償を勝ち取り、あんぽ柿の賠償交渉を多くの農家は注目していた。東電が勝手に作った損害請求の要領ではなく、実態に沿った農民連の賠償請求は、ほかの農業団体の交渉に道をひらくものとなっている▼野田首相のTPP交渉参加への急ぎ足は、被災地を視野に入れない暴挙としか言いようがない。賠償交渉やTPP反対の行動でも、「復興ふくしま」の中心に農民連がいる。

(啓)

(新聞「農民」2011.12.12付)
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2011年12月

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