「農民」記事データベース20111212-1001-01

農民はじめ国民を死に追いやる狂気の協定

韓米FTA 国会強行採決

全国農民会総聯盟 イ・グァンソク会長声明

 韓国のイ・ミョンバク大統領は11月29日、与党ハンナラ党の強行採決で国会を通過した韓国とアメリカの自由貿易協定(韓米FTA)の施行に向けて、関連法案に署名しました。これに対し農民や市民は、ソウルの国会周辺をはじめ全土で「イ・ミョンバクは退陣せよ!」「採決は無効だ!」と韓米FTAに反対するデモや集会を連日行っています。韓国のからの通信です。


私たち農民は与党ハンナラ党の解体、
イ・ミョンバク政権退陣の闘争を宣言する

 11月22日午後4時24分、ハンナラ党は憲政史上類例のない非公開の本会議を開き、韓米FTAの批准案を可決した。ハンナラ党は99%の庶民ではなく、1%の持てる者とアメリカのための政党であることを再確認させてくれた。国会副議長は“何も恐れるものはない”という妄言を吐き、国民は破廉恥な売国奴であることを知った。

 国民はあなた方に何も期待しない。ひょっとしたらという一抹の期待感を、きれいに叩き落とせなかった不徹底さが恥ずかしいだけだ。政権与党であり多数党だという理由で、国民の反対の声を無視したまま、ひたすら1%とアメリカのために韓米FTAの批准案を強行処理した、その瞬間から、ハンナラ党は、国を売り渡した売国奴集団になった。非公開の単独処理という最も見苦しいひったくりを強行したハンナラ党よ、いま祝杯をあげているのか。

 しかし、これが歴史のゴミ箱に自分の体を投げ入れる自爆行為であったことを、骨にしみるほど痛感させてやろう。

 農民たちの血の出るような叫びも、身を刺すような風のなか、毎晩キャンドルを持って街に出た国民の声も聞こうとせず、アメリカの利益のために強行したハンナラ党の解体闘争を宣言する!

 お金をもらいアメリカの企業が作ってくれた演説文を読みながら、アメリカの議員たちに拍手かっさいを受けたことを得意とする、骨の髄まで親米主義者の売国奴イ・ミョンバク。その汚い口でこれ以上農民たちを愚弄(ぐろう)するな!

 韓米FTAが批准されたことを幸いと思っているイ・ミョンバク大統領は、これ以上大韓民国を代表することはできない。売国奴イ・ミョンバク退陣闘争を宣言する!

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11月24日、ソウル中心部の広場で、批准案強行に抗議する農民・市民ら(提供=KPL)

 全国農民会総聯盟(KPL)は、350万人の農民の鬱憤(うっぷん)と涙で今日を記憶するだろう。大韓民国の未来と農業へ死亡宣告を下したハンナラ党と151人の国会議員の名前を怒りで胸に刻む。

 私たちは11月24日、農民大会を開催する。それは、国民的抵抗とたたかいの始まりであり、来年の総選挙と大統領選挙を通じて、国を売り渡した売国奴の落選のためのたたかいを組織の命運をかけて実践するだろう。

 そして、110余年前、腐敗した欲深い官吏とたたかい、国を立て直すために毅然と闘争した甲午(東学)農民軍の精神と、農民たちの粘り強い闘争で徹底的にたたかうだろう。

 今日が終わりだと考えるな。この地の350万人の農民たちは、ここに胸の奥底から突き上がる怒りで、ハンナラ党の解体とイ・ミョンバク政権退陣の闘争を宣言する。

  2011年11月23日

全国農民会総聯盟議長 イ・グァンソク(李光石)


キム・ヘスクさんからの通信

私たちは負けません

たたかいはまだまだ続きます

 現在私たちには、短期および長期的な計画があります。短期的な計画は、協定の実施を阻止することです。しかし、もし両国の政府が計画したように協定が来年1月から実施されるならば、4月の総選挙と12月の大統領選挙で政治的権力の構造をひっくり返して協定を止めるのみです。

 協定の定めによると「どちらか一方の当事国が他方の当事国にこの協定の終了を希望することを書面で通知した日から180日後に終了する」とされています。だから、法律的にはこの協定の破棄は簡単です。

 野党の国会議員は、来年の国家予算に関する会議の開催を拒否し、国民と共に声をあげるために街頭に出ました。

 反韓米FTAのキャンドルライト運動は日に日に大きくなり、11月26日には約2万人がソウル中心部に集まりました。反対運動は韓国全土に広がり、今では地下鉄やバスの中でさえ反対のスローガンを目にすることができます。

 日本のみなさん、私たちは負けません。たたかいはまだまだ続きます。

(ビア・カンペシーナ東南・東アジアスタッフ)

(新聞「農民」2011.12.12付)
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2011年12月

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