ここに農民連があったら…
フォト・ジャーナリスト 森住卓さん
祝1000号
1000号おめでとうございます。継続は力なりです。
3・11以来、東北地方の農業は大きな打撃を受け、それに追い打ちをかけるようにTPP交渉への参加が始まり、日本の農業の未来はお先真っ暗のようです。そんな中で農民連は、巨大な敵と真っ向からたたかい、農民の利益の守り手としてブレず、楽しくたたかっていますよね。たたかってこそ未来が開けるのですから。
放射能汚染の町や村では、何も変わらない風景の中で、稔(みの)りを収穫できない農民の呻(うめ)きと悲痛な叫びが聞こえてきます。「なぜ福島の農民はじっと我慢しているのだ」と質問を受けます。「いやそんなことはない。心に鬼を持っています。内に燃えるような怒りを秘めています。怒りの炎は勢いを増しています。この怒りを組織し、たたかいを組んで行くことができるのは農民連しかありません」と答えています。
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「お盆が来るのに草だらけではご先祖様に申し訳ない」と、避難先から墓そうじにやってきた飯舘村二枚橋地区の農家(7月29日、森住さん撮影) |
取材の先々で、「もし、ここに農民連があったら」と思うことがたくさんあります。「賠償、除染、避難」などたくさんの問題を抱えている農家が圧倒的多数です。そこに農民連があったらと思うのです。いまほど、農民連の真価が問われている時期はないでしょう。
その機関紙である新聞「農民」は、福島の農民の叫びとたたかいを全国に伝え、励ましています。私も「汚染地からの報告」を連載させていただき、また以前からの読者です。ジャーナリストとして農民の苦悩や叫びを共有することは、とても大切だと思っています。
(新聞「農民」2011.12.5付)
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