「農民」記事データベース20111128-999-07

やりたいこといっぱい
若者同士で交流したい

茨城阿見産直センター青年部

 茨城県の阿見産直センターの青年たちが元気です。2009年2月に14人で結成された同センターの青年部は、いま18人に。仲間を増やしている理由は何か。


励まし合い“協同”の心培う

 青年部の結成には、阿見産直センターの農産物直売所が大きな役割を果たしました。「直売所は品ぞろえが一番」と、地域の農家に広く門戸を開き、農民組合会員以外の農産物も積極的に受け入れてきました。

 そのなかで、地域の青年も直売所に出荷してきました。こうして青年たちが集まりを重ねているうちに、「種苗会社の見学会をやりたい」「部員同士の交流がしたい」などの要求が出てきました。直売所に出荷する青年らに呼びかけ、阿見センター青年部の結成に至ったのです。

 しんどい、きついが収穫のうれしさある

 阿見町の筧田貴正さん(31)は、青年部の結成前後に就農しました。その前は、農業とはまったく関係のないOA機器のメーカーに勤めていました。環境に負荷を与えていることに疑問を感じ、また、父が楽しそうに農業をやっているのを見て、「自分もやってみよう」と決意しました。

 実際にやってみて、「人と人とのつながりが大事だ」と実感した筧田さん。「農家は、一人でものをつくるだけでなく、加工や販売など、取引先や消費者との付き合いが必要です。販売方法など、いろいろ応用できる。今は多品目の野菜をつくっていますが、もっと絞って、有機栽培などにも挑戦していきたい」と、元気いっぱいです。

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仲間が増えて元気いっぱいの阿見産直センター青年部のみなさん

 会社員から今年就農したばかりの飯村仁さん(34)=牛久市=も、サラリーマン時代は、家の農作業の手伝い程度でしたが、徐々に畑が増えて、トラクターなどを増やしていくうちに、「専業でやっていこう」という意欲がでてきました。「やってみて、しんどく、きついこともありますが、種まいて、農産物が育ち、収穫して、さらに売れたときは、農家しか味わえない喜びがあります。現状に満足せず、品質や味にこだわって、栽培技術をもっとレベルアップしたい」と意欲的です。

 筧田さんや飯村さんのように、一度会社員を経験して農業に戻ってくるUターン就農に加え、まったくの新規就農の若者も阿見センターに集まってきます。

 将来計画が立てられ地域経済発展に貢献

 こうした農業を志す若者をバックアップしているのが阿見センター。県や町の就農支援制度を活用しながら、農地探しや販路の確保、農業の基礎的な技術の伝授など、農業青年にとって頼りがいのある存在になっています。

 阿見センターの荻島光明事務局長は青年部への期待をこう話します。「生産者の高齢化で、事業も運動も陰りがでてきたなかで、青年部結成により、将来計画が立てられるようになり、喜んでいます。農業を志す若者が増えているいま、彼らの就農を全面的に応援していきたい。そして何よりも組織の土台である“協働組合”としての心を養っていく。そのことが地域農業の発展につながると確信しています」

 センター職員から農家に転身して1年半の竹崎善政さん(29)は阿見センターの青年部長を務めています。「部員同士の情報交換や栽培技術の交流をさらに深め、部員のいろんな要望に応えられる青年部をめざしたい」と夢を語っています。

(新聞「農民」2011.11.28付)
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2011年11月

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