キャベツの出荷制限で自らの命を絶った「夫の遺影」をしっかりと抱え、樽川美津代さんが
「うちの父ちゃんは、東電への抗議のために命を絶ったと思う。子どもや孫が外で遊べないんです。洗濯物を外に干せないんです。一刻も早く原発を止めてください」
と、東電本社で担当者をなじることもなく迫った。
東電の担当者は「損害賠償の立証責任は被害者にあります」と言い放つ。誰が放射能で福島を汚したのか。
東電と国を追い詰めなければ、損害の賠償も原発をやめさせることもできない。
まだ原発事故は収束の見通しもたっていない。
放射性物質の飛散は止まっていない。
土壌の汚染は続いている。
作物の汚染も続いている。
原発に怯え、放射能に怯えて暮らさざるを得ない日々は、母と子を追い詰めている。
原発ゼロへの運動は、日本の国そのものを変える運動だ。
復興が大きなテーマになっている。
復興とは、まず人間が「復興」しなければならない。
「人間の復興」とは、たたかうことだ。
原発による被災地、被災者を二度と生まないために私たちはたたかう。
私は、汚されたフクシマを子や孫に美しいフクシマにしてわたすまでたたかう。
日本の食といのち、暮らし、地域を破壊するTPP参加を絶対に許さず、豊かで美しい福島を取り戻すために農民として生き抜く覚悟だ。
後に続くものを信じて。
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