助かります
働ける場あってよかったです
福島・田村市から自主避難の
5歳児育てる若いお母さん
山形・おきたま産直センター
県の雇用創出事業を活用
福島県田村市に住み、5歳の男の子を育てる専業主婦の田中美恵子さん(仮名、26歳)は、原発事故で福島第一原発から40キロにある田村市から、実家のある山形県に子どもと2人で自主避難してきました。
田中さんは、実家への自主避難のため、補償は何もないなかで近所の農家の手伝いをしていましたが、たまたまその農家が山形おきたま産直センターの会員だったご縁と、おきたま産直センターが県の「緊急雇用創出事業臨時特例基金事業」を利用して福島からの避難者を雇用できる事業に申し込んでいたことから、7月から採用されることになりました。仕事の内容は「水田の生物調査」や「水稲栽培管理の概要調査」など現場と事務の手伝いです。
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田んぼにどれくらいクモが生息しているか、調べます |
「安心して働く場がみつかって本当に助かっています」と言う田中さんは、これまで農業を手伝った経験がなかったので、「田んぼにたくさんの生き物がいることを知ってとても楽しい」「おいしいお米を作るためにはいろいろな苦労をしなければならないことがわかった」と語っています。
いま、夫婦のどちらかが月に1〜2回、山形と福島を行き来しあっていますが、田村市に帰る日が来るのだろうかと不安にもなるそうです。事故前は、「原発」のことはほとんど気にしていませんでしたが、今は「早く収束してほしい。これ以上放射能の数値を上げないよう除染してほしい」と強く思っています。
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どれくらいの昆虫が何匹いるか、ビオトープ調査です |
山形おきたま産直センターの渡沢賢一組合長は、「震災後、産直センターも被災地に募金や救援物資を送り、現地で炊き出しをして支援してきたが、県内に避難してきている方々のため、なにかできることはないかと考えていました。そういう時に、県の事業が利用できると聞きさっそく申し込みました。この事業は11月末までですが、今後も救援のために息の長い活動を続けていきたい」と話しています。
(山形県農民連 洞口昇一)
(新聞「農民」2011.10.31付)
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