「農民」記事データベース20111031-995-13

第56回 はたらく女性の中央集会

アメリカいいなりのTPPではなく
国民の願いにこたえた経済政策こそ

横浜国大教授 萩原伸次郎さんが講演

関連/国際生物多様性の10年


 「つくろう安全・安心な社会 輝いて働きたい ジェンダー平等へ ひろげよう!憲法・くらし・平和守る女性の共同を」をスローガンに、10月15・16の両日、東京都内で「第56回はたらく女性の中央集会」が開催されました。労働者、女性農業者、業者婦人などのべ1000人を超える女性が全国から集いました。

 1日目の全体会では、福島県立医科大学講師の後藤宣代さんが、「ヴォイス・フロム・フクシマ―21世紀を、生きるよろこび・働くよろこびへ」と題して記念講演しました。

 2日目は分科会。「大震災を経て見直すエネルギー政策、地域、国、企業のあり方」をテーマにした分科会では、横浜国立大学教授の萩原伸次郎さんが、「東日本大震災の復興と日本経済―原発・震災から復興をめぐる二つの道」と題して講演しました。萩原さんは、「民主党政権の復興政策は、被災地住民の願いにこたえた復興ではなく、震災を機に特区や大規模化などを導入し、大企業のもうけを拡大させようとするもので、TPPを同時進行しようとしている」と指摘しました。

 会場からも「TPPに参加すると、食料自給率は13%に下がり、日本農業は破壊されてしまう」「財界はTPPに参加しないと乗り遅れるというが、TPPは途中下車できない。いま国がやるべきなのは、TPPではなく、国民・住民の声に基づいた復興に真剣に取り組むことだ」などの声が、数多くあがりました。

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全体会の後、デモ行進しました

 萩原さんはTPPが日米安保条約に基づいたアメリカいいなりの経済政策であることを解説し、「TPPは農業だけの問題ではない。金融、投資、医療、保険といったサービス貿易が含まれ、国民経済と暮らしすべてが大きな影響を受ける。すべての分野・階層が共同して、政治の流れを変えるような大きな運動が必要だ」と訴えました。


国際生物多様性の10年

目標達成に向けてスタート集会
市民団体の代表者らが一同に

画像 2011年から2020年にかけて、「国際生物多様性の10年」と定められています。これは、昨年、名古屋市で行われた生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)で定められた目標を10年かけて達成しようとするもの。そのスタートとなる集会が10月8日、東京都文京区の中央大学後楽園キャンパスで開かれました。

 COP10では、次の3つが主要成果として決められました。

 (1)生物多様性条約の締約国が10年間に何をすべきかを示す愛知目標(2)遺伝資源の利用から得られる利益の原産国への配分、遺伝資源の取得に関する手続き、その取り決めの監視などの措置を各国で進めることをめざした名古屋議定書(3)遺伝子組み換え生物の利用によって被害が生じた場合の損害賠償と修復措置について定めた名古屋・クアラルンプール補足議定書

 今回は、20の愛知目標を実現するために、市民の行動を強めようと開かれました。主催団体である国際自然保護連合日本委員会事務局の道家哲平さんは「立場も、できることも、異なるからこそ、強いつながりになる。すでに行動してきた人も、これから動き始める人も、一緒になろう」と呼びかけました。

 「国連生物多様性の10年市民ネットワーク」の高山進さん、「生物多様性ユースネットワーク準備会」の松井宏宇さんら、市民団体の代表が発言し、目標の実現に向けて、政府への働きかけや運動を強めていくことを確認しました。

(新聞「農民」2011.10.31付)
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2011年10月

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