旬の味
「いま、祭りの最中です」―福島からの電話に「祭り」の一言を聞き、なぜかホッとした。収穫への感謝と五穀豊穣(ほうじょう)を願う秋祭りの季節。二本松市で伝統のちょうちん祭りが行われたことを翌朝の新聞で知った▼日本の祭りは各地各様で、“ハレの食”もたまらなく楽しみだ。隣近所、親せき、知人をごちそうでもてなす。ちょうちん祭りと同じころ、滋賀の祭りに招待された。その家のおかみさんは助っ人を動員し、鯖(さば)ずしや巻きずしなど何十本と作る。駆り出された娘さんたちは、そこで鯖ずしの作り方やら巻きずしのコツを習う。ごちそう作りそのものが祭りのにぎわいだ▼かつては当たり前だったこんなしきたりが、いまではとても新鮮だ。みんなでたくさん作り、みんなに振る舞う。そんなおおらかな「共食」の機会をいろいろな場面で作っていきたい▼世の中が「個食」化へと進むいま、だし巻きを何十本も巻き、おはぎも百個くらい平気で作る。そんな逆風を吹かせたい。みんなで食べてこそ出る元気がある。 (中)
(新聞「農民」2011.10.24付)
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[2011年10月]
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