JA全中 次つぎに反対決起集会
TPP情勢緊迫
初めて関係閣僚会合開き
APECまでに結論急ぐ
関連/“震災復興に逆行”
10月11日、野田内閣は「TPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加等に関する関係閣僚会合」を開き、11月12日からアメリカ・ハワイで開催されるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会合でTPP参加を打ち出そうと大きく踏み出しました。また民主党内でも、経済産業大臣を辞任した鉢呂吉雄氏を座長とする「経済連携プロジェクトチーム」を立ち上げ、TPP参加に向けて党内の取りまとめを急いでいます。
経団連 野田内閣にくりかえし圧力
「野田政権の基本方針は経団連の考え方とまったく同じで安心している」という経団連の米倉弘昌会長は、政府に繰り返しTPP参加を要求し、11日にはTPP参加に慎重だといわれる鹿野農相を「弱腰」などと名指しで批判するとともに、民主党内の反対論について「選挙を考えずに国益を考えろ」と恫喝(どうかつ)しています。
こうした緊迫する情勢のなか、JA全中などは10月26日に「TPP交渉参加に反対し日本の食を守る全国決起集会」を、APEC開催直前の11月8日には、東京・国技館で「TPPから日本の食と暮らし・いのちを守る国民集会」を6000人規模で開く予定です。
農民連食健連“参加するな”の声大きく
一方、10月からグリーンウエーブをスタートさせている農民連・食健連は、JAなどとも共同しながら、全国各地で集会やパレード、学習会、自治体・農協訪問などを行います。農民連も参加する「軍事費を削ってくらしと福祉・教育の充実を国民大運動実行委員会」は11月10日に、集会や政党・議員要請などの「中央行動」を予定し、TPP参加阻止をアピールします。「参加するな!」の声を広げ、野田政権を追い詰めましょう。
“震災復興に逆行”
岩手県民会議 要請集会に全県から1000人
農民連も参加し、岩手県内の49団体で構成する「TPP等と食料・農林水産業・地域経済を考える岩手県民会議」は10月12日、盛岡市で、TPP参加反対岩手県代表者要請集会を開催し、農民連の会員をはじめ全県から1000人以上が参加しました。
拓殖大学日本文化研究所の客員教授、関岡英之氏が「国家の存亡、日本を亡ぼすTPP」と題して講演。関岡氏は、TPPは外資の参入を自由化するもので、結果としてアメリカの利益が優先されることを強調。「地元企業を優先する復興事業も認められなくなり、震災復興とは逆行するものだ」と語りました。
さらに、漁業、医療、畜産の各代表が、県選出の国会議員、県知事、県議会へ要請文を手渡し、「全国から支援を受けてがれきを撤去し、漁業再開に向けて努力している。そこにTPPをやられたのでは展望が見えない」(漁業)、「医療体制もアメリカ並みを押し付けられたら、国民皆保険制度が崩壊してしまう」(医療)、「やり方次第で魅力ある農業ができると子どもに語ってきたが、それを踏みにじるものだ」(農業)と、いずれも切実な訴えを行いました。要請を受け取った県選出の菊池長右ェ門衆院議員(民主党)は「小沢一郎元代表も『TPPは慎重に』と語っている。私も断固反対だ」と答えました。
(岩手県農民連 岡田現三)
(新聞「農民」2011.10.24付)
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