「農民」記事データベース20111010-992-11

旬の味


 秋分が過ぎ、夏野菜も終わった。私が耕作するようになってから、夏場は野菜を作り、裏作には必ず麦をつくることを繰り返してきた畑がある▼麦藁(わら)をすべて戻しているので年々地力がつき、標準の半分以下の肥料でも野菜が十分に育つようになった。麦には施肥をしていないが、標準的な収量はあるようだ。1枚の畑として麦と野菜をトータルで見たら、非常に省エネでエコロジーに2つの作物を作り続けることができている。野菜の出来も年々良くなってきた▼地域ごとに食料自給率を高めていくには、糧となる穀類や豆類を増やすことが必要だが、今日、麦類や雑穀の作付けは野菜農家から敬遠されている。しかし私の実践では、糧となる作物栽培は大切な生産基盤である土を守り、地力を高めることになることを示している▼糧をつくり消費者へ健全な国産の農産物を安定して届けることと、持続可能な農業・地力を守り増進させる農業は、本来“同義同質”のものなのだ。今年も心して麦を播(ま)きたいと思う。

(綿)

(新聞「農民」2011.10.10付)
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2011年10月

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