台風被災地日高川町へ
泥に埋もれた稲刈り取り
和歌山県農民連
和歌山県農民連は9月20日、台風12号で大きな被害を受けた日高川町にボランティア支援に入りました。
当日は台風15号の接近に伴い、現地での作業が心配されましたが、和歌山県農民連会長の井上雅夫さんが「雨でもできる作業があるかもしれない」という呼びかけのもと、大阪農民連の谷田努さんと高槻支部の河村正志さんも応援に加わり、10人で日高川町和佐に住む組合員さん宅に行きました。
組合員さんは、河川の増水で泥に埋もれた田んぼをみて、「4反のうち3反の米はあきらめた」と肩を落としていましたが、井上会長が「できるだけのことはしてみよう」と組合員さんを励まし、参加者全員で鎌を持ち田んぼに向かいました。
田んぼには川から流れてきた泥が数十センチも積り、水も引かない状態でしたが、手作業で稲を刈りナル木に架けていく作業をしました。泥の中に入っての作業は、足元の自由も利かないほどかなり大変でしたが、作業が進むにつれ、組合員さんの顔にも元気がみられるようになり、「どう考えても無理な1反はあきらめ、残りの2反も稲を刈りたい」と言ってくれました。その言葉に「残りの2反の作業もさせてほしい」と、紀ノ川農協青年部の井上達也部長と岡豊章さんが立ち上がり、作業を続けました。稲刈りを終え、溝の泥上げをして田んぼにたまっている水が流れ出ることを確認して、作業を終えました。
組合員さん夫婦は「先が見えてきた。ありがとう」と、車が見えなくなるまで手を振って見送ってくれました。
(和歌山県農民連 平野友基)
(新聞「農民」2011.10.10付)
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