「農民」記事データベース20111010-992-07

DVD紹介

「原発、ほんまかいな?」
(アジア太平洋資料センター制作)


原発知り、「何が必要か」
ともに考えよう

画像 「電気事業連合会のパンフレットには『地震にも津波にも大丈夫』って書いてあるけど、うちら、だまされてたんとちゃうか?」

 「なんでそんな危ないもんが日本中にあるねん!」

 八百屋の店先で井戸端会議を始めた2人の主婦。その疑問に専門家や元原発労働者、環境活動家らがていねいに答えていきます。

 福島第一原発事故から半年余り。ウラン鉱山開発から核燃料サイクル、放射線の知識、原発労働、事故の影響まで、原発を考えるための情報が満載です。

 原発依存の構造がどうつくられたのか? 福島県二本松市の有機農家で農民連会員、菅野正寿さんが登場し、「出稼ぎや減反で田んぼが荒れていく。中山間地で規模拡大をできない農家は、農業で食べていけず、暮らしが成り立たなくて、雇用を求めて企業を誘致し、原発で働かざるをえない構造になる。そういう農村にしてしまったことが問題だ」と指摘します。

 農業など第一次産業への放射能被害、脅かされる食と健康――。「農家も作ったものをどうしたらいいか、悩みが深い。農地は、放射性物質で汚染された。そうしたもとで消費者が、より安全なものを食べたいと思うのは当たり前の話だ」と答えるのは、福島県農民連の根本敬事務局長。「食べて支えようという運動は、たいへんうれしい。同時に、(汚染の)責任を明確にし、補償があって初めて買い支えだと思う。そうでない限り、事故を起こした東電や国の責任があいまいになる」

 映像のなかには、農民連の東電への賠償請求行動や、「食べて応援」の取り組みも紹介されています。データや図表も多く織り交ぜられ、原発を知り、「何が必要か」をともに考える作品です。

 DVD/VHS、カラー75分。
 定価=9000円+税
 注文・問い合わせ=アジア太平洋資料センター(PARC)。TEL 03(5209)3455

(新聞「農民」2011.10.10付)
ライン

2011年10月

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