子どもと“食”考えたい
学校給食の役割改めて
千葉で教育のつどい
「みんなで21世紀の未来をひらく教育のつどい―教育研究全国集会2011」が8月19日から3日間、全日本教職員組合(全教)、農民連など27団体でつくる実行委員会が主催して、千葉県内で開かれました。
「子どもの育ちと食・農業・環境」をテーマにしたフォーラムには、生産者や消費者、栄養職員など74人が参加しました。フォーラムでは、パネリストとして4人が発言。県農民連会長の大木伝一郎さんは、「共同の力で学校給食の地産地消を進めている。この力でTPP参加を許さず、食糧主権を確立する運動を強めたい」と訴えました。
茨城県・東海村の吉田千恵さん(新日本婦人の会)は「今、一人親家庭やリストラなど、子どもの貧困をめぐる状況は、地方ほど深刻だ。朝ご飯を食べてこない子も多く、学校給食の役割は大きい」と報告。
横浜市の定時制高校生、小林翔さんは、「1年生のときは給食の補助があり、ほとんどの人が給食を食べていて授業に集中できた。2年生のとき補助がなくなり、3年では弁当(300円)を申し込む仕組みに変えられた。定時制高校生にとって給食は唯一のきちんとした食事。十分に提供されないのは、問題だと思う」と訴えました。
東京・日野市の栄養教諭、宮鍋和子さんは、「計画停電で電気も水もガスも止まる中、栄養教諭はがんばって給食を作って子どもたちに喜ばれました。ところが教育委員会から、統一献立(パンと牛乳)で給食を実施しろと言われ大変苦労した」と、報告しました。
参加者からは「食の課題の大きさ、深さが実感できた」「小学校の教員として子どもと考えたいテーマで、いくつもヒントをもらいました」「教育活動がいかに多面的な要素で成り立っているかを再認識できた」との感想が寄せられました。
5年目に入った「教育のつどい」は教員の教育研究だけでなく、地域の農業や産業、環境を守っていく方向を探る場に大きく発展してきていることを強く感じました。
(新聞「農民」2011.9.26付)
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