「農民」記事データベース20110919-989-01

風評被害で販売3〜5割減

静岡・藤枝市 「無農薬茶の会」

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安全なお茶にこだわり30年以上
ここにきて放射能汚染…悔しい

 「良い百姓は、良い作物を作る前に良い土を作る。お茶を半分、百姓の心を半分、ご賞味ください」でおなじみの、静岡藤枝市農民組合「無農薬茶の会」です。

 原発事故により、静岡県藤枝市の基幹作物「お茶」からも、基準値以下とはいえセシウムが検出され、風評被害は深刻です。お茶の販売は事実上、3割〜5割に落ち込み、販売先やお客様から、お茶の放射性物質に関する問い合わせや「昨年産のお茶に切り替えてほしい」など、何件も寄せられています。問い合わせのお客様には説明もできますし、むしろありがたく感じています。

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“安全なお茶を届けたい”とお茶づくりに励む「無農薬茶の会」の生産者と消費者が交流

 震災発生の時期は、「新茶便り」を発送する時期でした。お客様の中には、津波の被害や原発事故で避難を余儀なくされている地域に住んでいる方もおり、私たちにはどうすることもできずご無事をお祈りするばかりでした。

 毎年4月に開いている「お茶摘み交流会」は、自粛するべきか、それともこのような時だからこそ開催するべきかで白熱した議論となりましたが、規模を縮小し、原発・被災地を考える交流会を開くことにしました。交流会開催の時点では、お茶からセシウムは検出されておらず、まさか静岡のお茶からも検出されるとは思いもよりませんでした。心配されたお茶ですが、放射性物質の検査を行っており、生茶、製茶、抽出液のすべてが基準値以下という結果を得ています。また、ほうじ茶、秋番茶、紅茶などは通常、前年度に収穫加工したお茶を使用しています。

負けないで生産・販売つづける

 「無農薬茶の会」は、1976年に数人の生産者仲間と消費者の支援で発足して以降、完全無農薬・有機栽培でお茶を作り続け、現在では藤枝市を中心に二十数軒に広がっています。生産者からは「“安全なお茶を提供したい”とこだわり続け、30年以上、農薬も化学肥料もいっさい使わず生産を続けてきたのに、放射能という目に見えない脅威が空から舞い降りてくるとは、なんと悔しいことだ」という切実な声があがっています。今後、損害賠償の請求にも取り組んでいきたいと考えています。そしてより良い無農薬茶を求めて、日々の農作業と販売を続けています。
(静岡・藤枝市農民組合 中山明子)

▼お茶の注文は、藤枝市農民組合
 TEL 054(639)0243、FAX 054(639)0708まで。


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(新聞「農民」2011.9.19付)
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2011年9月

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