「ヘアカットは?」“やりたい”
仮設住宅前「青空市場」も好評
岩手県農民連女性部
陸前高田へ被災地方訪問ツアー
岩手県農民連女性部は8月20日、20人が参加して、全国から寄せられた支援物資を積んだ軽トラックと乗用車2台、マイクロバスに分乗して、東日本大震災から5カ月余の陸前高田市を訪れました。
女性部はこの間、陸前高田市と山田町を中心にのべ120回以上の炊き出しや物資支援を行ってきました。こうした活動に参加できなかった会員から、「被災地を実際に見ておきたい」という要望もあり、「被災地ツアー」が計画されました。
被災地は訪れるたびに違った“顔”を見せます。5カ月経った今、ガレキの山は片付けられ、そこには草木が生い茂り、汚泥にまみれていた田んぼにも稲が元気に育っていました。あちらこちらに植えられたひまわりは、灰色一色だった景色を変えていました。
私たちが訪問した仮設住宅には、広田湾沿いに居住していた66世帯が入居。自治会長さんが混乱しないように段取りをつけてくれたこともあり、「青空市場」に並べられた野菜や花、衣類・生活雑貨などを手に、みなさんには大変喜んでいただきました。
また、ツアーに参加した美容師さんが「カットしたい方いませんか?」と声をかけると、「私も」「私も」と続々申し出がありました。
陸前高田市は今、ガレキは撤去されましたが地盤沈下によって水につかったままのところが随所にあり、まだ明るい未来設計を描けない厳しい現実があります。訪問するたびに、自然の脅威を思い知らされ、私たちができることは本当にささやかなことだなと痛感します。
そして、政府の後手後手の救済対策に加え、農作物の収穫時期を前に放射能汚染問題で追い打ちをかけられていることに、民主党政治へのいら立ちは募る一方です。
帰りのバスの中では、しばらく歌うことがなかった「海」や「ふるさと」をみんなで合唱しながら、被災地と心を通わせて帰ってきました。
(岩手県農民連女性部 菅原栄美)
(新聞「農民」2011.9.12付)
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