“これからの農業”話し合えた
ニューファーマーズワークショップ
千 葉
視察・交流し、きずなを強め
若者一人ひとりやる気いっぱい
全国の産直組織の若手職員や生産者が集まる「ニューファーマーズ・ワークショップ・イン千葉」が8月18、19の両日に開かれ、約80人が参加して、学習と討論、視察と交流に汗を流しました。
多古町旬の味産直センターの研修施設「しんのみくうかん」で行われた研修会では、同産直センター青年部副部長の高橋芳文さんが開会あいさつ。「震災・原発事故やTPP(環太平洋連携協定)、農家の高齢化や減少など、農業にとって大きな問題が立ちはだかるなか、個人で対応するには限界がある。これから困難に直面したときに、ここで学んだことを生かしてほしい」と呼びかけました。
同青年部長の高橋秀明さんが「これからの日本の農業について考える」のテーマで問題提起。震災で農産物の注文が殺到し、原発事故により多古町をはじめ、近隣の旭市や香取市で放射性物質が検出され、出荷の自粛要請や風評被害を受けていることを報告しました。
さらに「農業所得の減少や高齢化など、日本農業を取り巻く環境は厳しくなっている」と訴えました。
同センター青年部の竹盛智敬さんが、TPPへの参加による農林水産物の生産額の減少や食料自給率の大幅低下など、農業への悪影響を説明するとともに、農業の多面的機能や地域活性化に果たす役割を述べました。
参加者はその後、5つの分散会に分かれて討論しました。また、生協参加者からもあいさつがありました。
千葉県の佐原農産物供給センター、柳沢友一さんが「きずなを大切に、一生懸命やっていけたらいいと思います」と閉会あいさつをしました。
翌19日は、多古町旬の味産直センターの根物と果菜コース、房総食料センター、佐原農産物供給センターの4コースに分かれてほ場見学。産直センター職員や現地の生産者とも交流しながら、肥料の作り方、作物の病気の予防法など質問や意見を交わしました。
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越川洋一さん(左、横芝光町)のハウスでピーマンの栽培法を学びました |
和歌山・紀ノ川農協から参加した生産者、小林元さんは「ほ場視察では、他の農家も同じ作物の病気で苦労していることがわかりました。微生物の有効利用など、参考になり、もっと技術を磨く必要性を感じました。若い人同士がこれからの農業について話ができたよい機会でした」と振り返りました。
埼玉産直センターに出荷する生産者、杉山登さん(上里町)は「一人ひとりにやる気があり、活気があって、たくさんの若い人ががんばっているのを実感しました。産直センターの見学では、出荷先や出荷形態など勉強になりました。知り合いもでき、これから協力し合いながら、農業を盛り上げていけたらいいなと思います」と笑顔で話していました。
(新聞「農民」2011.9.5付)
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